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ラパ・ヌイ国立公園 Rapa Nui National Park  アフ ヴィナプ Ahu Vinapu    

アフ ヴィナプ Ahu Vinapu

マタヴェリ空港ハンガロア村とは反対方向に走り続けた先にはこの島の石油を備蓄するオイルタンクがあります。そのタンクの脇をぐるっと回り込んで500mほど行くと「アフ ヴィナプ」という立て看板がでています。ここには立っているモアイはなくて一見地味なアフしかなさそうに見えますが、実はここにしかないものもあり貴重なアフです。
【アフ ヴィナプ Ahu Vinapu】
アフの前の海岸。どこの海岸を見ても永遠に続く大海原が広がっています。
【アフ ヴィナプ Ahu Vinapu 緻密に作られたアフ(祭壇)】
このアフ ヴィナプにはNo.1とNo.2という2つのアフがあります。ここはNo1。この場所が大切な理由の一つは、この緻密に作られたアフです。島のほとんどのアフが大まかに石を積み上げているのに対し、ここのものは緻密に組み合わせて磨いてあります。
【アフ ヴィナプ Ahu Vinapu 埋まっていたモアイの頭】
ヴィナプNo.1のアフの周辺にはモアイらしきものが多数転がっています。中にはこのように頭だけを出して埋まっているモアイもあります。
【アフ ヴィナプ Ahu Vinapu ヴィナプNo.2全体図】
ヴィナプNo.1から数10メートル奥に行った所にヴィナプNo.2があります。36m×4m×3mの大きさのプラットホーム形のアフで、かつて9体のモアイが立っていたとされる場所です。しかし現在は陸側に6体のモアイが倒されているだけ。しかも、常に潮風に当てられているためその風化は早く、かなり悲惨な状況になっています。
【アフ ヴィナプ Ahu Vinapu 唯一の女性モアイ】
これが島唯一の(というか世界で唯一の)女性のモアイ像と呼ばれるものです。ヴィナプNo.2にあります。プカオと同じ赤色凝灰岩でできており、高さは2mほどの小さなもの。一説によるとこれは双頭のモアイで、現在のものは頭がうち砕かれた残骸とも言われますが、真相はいかに?。手と胸が何となく残っている(と言う気分で見るとそんな気がします)。形としては女性というよりも、「男性の」といった方がいいくらいの形と思ってしまう。これがなぜ、女性なのか、なぜ、赤色凝灰岩で出来ているのか、詳しいことは不明とのことです。
【ヴィナプNo.1全体図】 
ヴィナプはNo.1とNo.2という2つのあつまりから成り立っています。これは手前のNo.1の全体図。立派なアフの周りにモアイやプカオが転がっています。
【大きく倒されているモアイ】
No1にて。手前に倒れているのがモアイです。ちょっと平べったい形のモアイですが、この南海岸地方にはこういった形のモアイが多いです。
【顔から倒されているモアイ】
これもNo1。高さ約3m〜4m、幅2m、奥行き1.5m位のこういったモアイが倒されています。No.1には、確実に確認できるだけでも6体のモアイが倒れていました。尚、当時はここまで人が入っても大丈夫でした(現地ガイドに連れられたグループも入っていました)が、現在は厳しく立ち入りが禁止されているそうです。
【No1にあるモアイの頭】
形からするとかなり初期のモアイのような気がします。

【やはりこれはインカに通じる?】
アフの一部をアップしてみると、その緻密さがよく分かります。風化しやすい凝灰岩のため、表面は粗いがこの石組みはペルークスコの街マチュピチュのインカ帝国の石組みと通じるものを感じます。
【この石組みは・・・】
ヴィナプNo.1のこの石組みはまさにインカ帝国の石組みを彷彿とさせます。「カミソリ一枚通さない」と言われたインカの巨石文明からは距離が離れすぎていますが、この島の起源が南米にあると主張する人の根拠の一つがここにあると言っても、確かに納得します。「イースター人南米渡来説」を中心に唱えているのはノルウェー人ヘルエルタール。彼はこの石組みと、ラノララクなどに生い茂るトトラ(葦の一種)が南米チチカカ湖にあるものと同じことを証拠に、南米起源説を唱えています。

 

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