エクアドルの世界遺産
【ショートエッセイ】ガラパゴスのドクター アンダレさん
ガラパゴスのクルーズ船にはお医者さんも同行していました。アンダレさんという彼は若くてかっこよくて、その上優しいという嫉妬したくなってしまうほどの方。クルーズの初日、全員の目の前でキャプテン(船長)が「ガラパゴスで最高のドクターです」と紹介していたのも分かるなーと思う彼でした。(とは言ってもキャプテンはそのあとすぐ「だって、ガラパゴスにドクターは一人しかいないから(笑)」なんて言っていたのでジョークと分かっていても、すごいなと思う方でした。)
でも・・・。
高山病予防について話していたとき、「高山病に効く薬なんてないよ」「お茶を飲んでれば大丈夫」「そもそも高山病なんてごく一部の人がかかるだけで薬なんて必要ない」
と断言したときはビックリしてしまいました。というのもガラパゴス訪問の後、4000mの高地が連なるボリビアに行く予定だったからです。いろいろ調べて、ダイアモクス:Diamox(成分名アセタゾラミド:Acetazolamida)という高山病予防薬があり、必要に応じて服用すればそれなりの効果がある、と聞いていたのでそれが本当かどうか知りたかったのですが、高山病予防薬存在の強い否定にこれ以後の言葉を無くしてしまいました。ダイアモクス(アセタゾラミド)は緑内障の治療薬で、高山某予防は応用としての利用らしいとあとで聞きましたが、首都キトでさえ2800mあるエクアドルだって必ず高山病はあると思うのですが・・・。
とはいいながらも、後日、やはり優しい彼にどんなことでもいいから治療して欲しいうちのチビは、かすり傷をすると喜んで医務室にかけていきました。学校の保健室でも手当てしないような、軽い傷を「あらら」「痛そうだね」と優しく手当てする彼は、どうみても、かっこよくて優しい、理想のお医者様だと思った私でした。