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レンタカー実践例 タイ バンコクで トヨタ フォーチュナーを借りてみた        

レンタカーを借りたわけ
”微笑みの国”と称されるタイ。今でこそ、各国を好きに歩いてしまっている自分ですが、一人旅デビューをした国はタイでした。その後、機会あって家族を連れてタイに行く機会がありましたので、今度は「車を借りちゃお」となりました。最大の理由は休みが十分取れず、日程的に余裕がなかったので効率良く回るためには車が不可欠、と考えたためです。具体的には「タイに行くならプ―ケットのようなビーチリゾートに行ってみたい」という(タイは初訪問の)妻の意見を取り入れつつ、「どうせタイ方面に行くなら、まだ訪れたことのないラオスかミャンマーに行きたい」という自分の要望を満たすために、「プ―ケットは無理にしても、バンコク近郊のビーチリゾート、パタヤ―周辺の島に行ってみよう」と考えました。パタヤ―まで150km。バスで2時間の距離ですが、それならば空港から車を借りていってしまえばいいか・・・・となりました。
ナビ問題
今回、悩みに悩んだのがカーナビの問題です。レンタカーの基本として“ナビはついていない”と考えますし、仮についていたとしてもタイ語ナビを使いこなせるとは思えません(この辺の事情は外国人が日本で車を借りた場合と同じだと思います)。予約時、AVISのサイトで「ポータブルナビUSD15(1500円程度)」の項目があったのですが、タイ語のみとのことなので申し込みませんでした。南米で使っていたTOMTOM(本社オランダ)製のポータブルナビに、ネット経由25£(3500円程度)でタイの地図を買って持参してもよかったのですが、「タイは短期間用のSIMが多数売られている」と言われているので、SIMフリーのモバイル機器を利用して、ネット利用のナビを使おうと考えました。そのために4つのモバイル機器を持参しました。@いつも使っているiPhone(docomo)、Awifi.3G両対応のandroidタブレット(docomo版,非SIMフリー)、Bモバイルルーター(SIMフリー)、CSIMフリーandroidスマホ+それらのケーブル類です。BとCは機能がダブっているのですが、万が一どちらかが使えない時のために予備として持参しました。
 さて、さて・・・。まずSIMは日本でネットで購入しました。7日有効で980円。安いもんです。そしてタイ・ドンムアン空港に着き、レンタカーの手配をしていた待ち時間に電源を入れてみました。すると・・・・。SIMは認識するのですが、どうしてもネット接続はしないのです。設定をいじっても機器を変えても同じ状況でした。もしかするとどこかをいじれば良いのかもしれませんが、どうにも反応しません。10分程度いじってみましたが、何かの設定がおかしく、どうしても繋がりませんでした。これ以上やっても無理っぽいので、アナログで行こうと地図を探しました。ところが、レンタカー屋にも地図はありませんでした。聞くと国際線出発ロビーの奥の店にあるとのこと。仕方なく、そこまで行ってみると大雑把ではありますが、いくつかの地図が売っていました。結局、初日はそのまま「超大雑把な地図」だけを頼りに数百キロを移動しました。
 そして、ようやくホテルにたどり着き、ホテルの部屋で再設定。機器を工場出荷時にリセットし、パスワードを再設定し、全てを最初から設定し直していたらようやく繋がりました。しかし心配でdocomoのローミングサービスも加入してしまい、ダブル回線という状態でしたが、おかげ様でそれ以降は、それなりにナビが使える状態になりました。
感想
タイは日本と同じ左側通行。運転マナーもほとんど違和感ありませんが、「常時左折可が基本」「クラクションは絶対に慣らさない」というのが印象的でした。そして「全体の巡航速度が日本より数割高い」と感じました。高速道路は120km/hという表示が普通に出てきますし、一般道でも100km/hの表示があります。結果的に高速でも一般道でも日本より早い速度域になっています。高速道路などは実質120〜160km/hで走っていても普通、という感じでした。それ以外は日本と同じで、交通ルールも比較的守り、紳士的に運転する国だな、と感じました。バンコクの渋滞は閉口しますが、それ以外の都市であれば、タイのレンタカー移動、オススメです。
今回のレンタカー会社はAVISにしました。レンタカーサイトを多数比較して、悩んだ末に値段が少々安かったのでここに決めました。サイトに載っている車種はセダンが中心でしたが、セダンですとトランクに入れたトランク(変な日本語ですが)を出すのに一苦労。走行中に荷物を出したくても出せないので、ワゴン系か、ステーションワゴン系が良いと考え、結局SUVを予約しました。
バンコク・ドンムアン空港のAVISのオフィスは、国内線(ターミナル1)到着ロビーにあります。そして乗りだし地、返却地もそのロビー前でした。借り出すときは簡単でいいのですが、車を返しにくるとき「この雑沓まで帰ってくるのか・・」とちょっと面倒な感じがしてしまいました。
これが今回借りたトヨタ フォーチュナー Toyota Fortuner。本サイトのパナマで借りた車と同じです。トヨタの新興国対策の世界戦略SUVで、日本以外の多くの国で活躍しています。日本で言うならば、ランドクルーザー・プラドのようなハイラックス・サーフのような3Lディーゼルターボ 7人乗り乗用SUVです。
新興国用の車を、世界的規模の生産体制で生み出していくトヨタIMVプロジェクトの車種で、タイをはじめ全世界で生産されていて、オセアニア、中南米、中近東の新興国市場へ輸出され販売されている車です。タイをはじめとした東南アジアや南アフリカ、ロシア、パナマ、エクアドルではフォーチュナーという名前ですが、ブラジル、アルゼンチンではハイラックス SW4と呼ばれています。
2015年にAN160系という次形式が発表されているので、このA50/A60系と呼ばれる初代モデルは既に旧形式ですが、トヨタにしては(失礼)とても良いデザインをしていると思います。ここトヨタモーター・タイランドでは、2度マイナーチェンジをしていますが、これはその最終型だと思います。
3Lディーゼルターボ。可変ノズルターボ付き、フルタイム四駆、と特徴が全て書いてあるリアエンブレム。
インパネ周辺。いつものトヨタの、いつもの使いやすいレイアウトです。日本人としてやっぱり安心できるつくりだな、と思います。
真ん中にあるのはカーナビ・・・・ではなく、オーディオ機器用のディスプレイ。そういえばタクシーもたくさん利用したのですが、カーナビをつけているタクシーは皆無でした。ナビの普及率は意外と低そうです。
室内の様子。豪華な皮貼シートが奢られていますが、基本はいつものトヨタの作りです。シートはそれなりにホールドも良く、良い感じです。
エンジンルームを見てみます。1KD-FTVと呼ばれるエンジンで、 3.0L (2982cc) 、DOHC直列4気筒コモンレールD4-Dディーゼルエンジンです。インタークーラー・可変ノズルターボ (VNT) 付きでボア96 ×ストローク103 mm. 出力は172.72 hp (127kW)3400 rpm,最大トルクは260 lbf·ft (352 N·m) 1800-3400rpm.すごく強力なエンジン、というわけではありませんが、通常の範囲ではトルクフルでそれなりに加速も頑張る、素直で使いやすいエンジンだと思います。
265/65R17のタイヤ。ダンロップ・タイ製。
上のナビの項目に書きましたが、今回はネット系を利用したナビを使ってみました。機器が増えても車内空間が増えるはずもないので、ダッシュボード回りは機器と配線だらけ。自分の車ならきれいにコードを隠しますが、なんといってもレンタカーですので、この汚い(?)状態のまま走りました。
車のDC12V出力を分岐し、USB経由のDC5V出力を4本確保し、@iPhone.Aタブレット.BSIMフリーのモバイルルーター(ここにタイ用のSIMをIN).C予備で持ってきたSIMフリーandroidスマホをつないでみました。結論から言うと、SIMを認識するのですが、そのあとネットワークに接続しようとすると何かが拒否していました。ルーターでもスマホでも症状は一緒。今回はそれを丁寧に解決する時間的余裕がなかったので、docomoのローミングで接続しました。
さて、実際の動きの様子を紹介します。まず、バンコク・ドンムアン空港を出るとこんな感じです。
空港敷地を出るとすぐに渋滞に遭遇!。急いでいるときは大いに困る渋滞ですが、この国を初めて車で走る人間にとっては、運転環境の様子をうかがう良い小休止です。
しばらくバンコク市内方向に向かって走ると、高速の標識が出たので迷わず高速へ。ちなみにタイの道路標識の色は、日本と反対で「青が高速道路、緑が一般道路」です。ちなみにタイ方式の配色のが多い気がしています。つまり日本式の「緑が高速」の配色は世界的にはレアです。
これが高速道路の領収書。THB70。230円ほど。あたりまえだけど安い!!
高速に乗れば車が激減しました。快適!
しばらくするとまた料金所です。バンコク市内は高速道路網が、それなりに整っていますが路線が複雑で、料金体系もいろいろ込み入っている感じです。
THB50.わずか160円。やはり安い!
郊外に出ると大きな高速に入りました。7号線の料金所です。
タイでもETCのようなものが普及し始めていますが、普及率は高くありません。日本のようにべらぼうに料金が高い場合は意味があるかもしれませんが、あまりメリットがないのかもしれません。
料金所を過ぎてもまた素敵な渋滞。
高速道路を走っていけないもの標識。荷車やトゥクトゥクがあるのがタイ風味。
この料金所は少し変わっていました。それは・・
料金を徴収する代わりにこのカードを受け取りました。日本のように”全距離制”の料金体系になっていないタイの高速ですが、一部は距離制になっています。そういった区間の開始部分にこのカードの配布ポイントがあります。料金を支払う時はカードと共に料金を支払います。ETC以前の日本の高速と同じ感じですね。
この看板が、道路の位置標識。日本の国道でもたまに見かける”キロポスト”というやつです。国道名と起点からの距離が書いてあります。
タイで良く見かけるトラックですが、注目は運転席後ろのタンク。なんとトラックがLPGで動いているのです。こんなLPGタンクを背負ったトラックも多数走っています。当然、LPGガスステーションも多数見かけます。
タイでトラックの荷台に乗るのは当然のこと。ただし、街中では以前よりだいぶ減ってきた印象があります。
大型車用の最大軸重を一覧にした標識。この国では、軸の数(というかタイヤの数)が重要視されていて、高速道路の料金表も「普通車」ではなく「4輪車」というカテゴリーで支払いました。
これがタイの道を走るときに大切な「Uターン道路」。大きな道路の反対に行きたいときは、日本のように右折を基本として進んで行くのではなく、「とりあえず目の前の車線を進んで行き、その後 Uターンをする」というのがタイ式です。
地方の幹線道路、高速道路もUターンが基本です。
バンコク郊外の7号線のサービスエリアにて。日本で言ういわゆるSA,PAはなかなかないのですが、超巨大なものがあることがあります。いわゆるショッピングモール街がSAになっている感じです。屋台からスタバ・マック・セブンイレブン・・・その他多種多様な店が並びます。
そのサービスエリアで面白いのが同じ店が多数あること。例えばここならばセブンイレブンは4店、マクドナルドは2店ありました。それならば、こう言った場所を他に作ってそこに出店すればいいのに・・・。
パタヤ―近くにて。きちんとした身なりの女性が大量の卵を運んでいました。このようにバイクにサイドカーのような荷台をつけたものが多数利用されています。
アユタヤ市内にて。かつてより台数が減った気がしますが、トゥクトゥクも走っています。今回も何度か利用しましたが、おおよその値段を知った上での値段交渉が大切だと思います。
さて、ガソリンスタンドに行きましょう。向かったのは、タイでも大手の「ポートートー」。
少年が出てきて、油種や量を聞いてくれました。ちなみに満タンはテムタン といいます。
一番左がディーセンと言ってディーゼルエンジン用軽油。今回はこれを入れます。 よって「ディーセン テムタン」と言えばOK。
なお、タイで販売される自動車用燃料は以下のものだそうです。@ベンジン95 : 日本のハイオク. Aベンジン91 : 日本のレギュラー. Bガソホール95 : ベンジン95が90%、エタノール10%の混合. Cガソホール91 : ベンジン91が90%、エタノール10%の混合. DE20 : ベンジン91にエタノール20%を混合. EE85 : ベンジン91にエタノール70〜85%を混合.Fディーゼル : 軽油. GLPG : 液化石油ガス. HNGV : 天然ガス  http://www.globalnewsasia.com より
給油中。フルサービスが基本ですが、日本のように窓ふきがあるわけではありません。
49.7LでTHB1260。日本円で4200円ほど。軽油です。85円/L。日本より数割安い感じですね。
ポートートーにはセブンイレブンが併設されていることが多いです。北米・南米ではガソリンスタンド併設の店舗はガソリン代の支払いを兼用していることが多いのですが、ここではガソリン代の支払いは給油機傍のBOXで行うので会計は完全に別です。
ポートートーは各所に店舗を持っています。
ガソリンの値段は、日本より数割安い感じですね。
さて、いよいよ帰り道。「返却は空港ならば道は簡単じゃん」と思ったのが甘かった。ナビの設定が微妙にずれていて、しかも常に渋滞のエリアですので、違う場所に行きそうになってしまいました。「飛行機に間に合うか」とドキドキでしたがなんとか辿り着きました。
無事に車を借り出したドン・ムアン空港1ターミナル到着ロビー前に着きました。
たまたま係員の方がいて、すぐにチェックしてもらい無事返却。 タイでのドライブ、バンコクの渋滞は少し困りますが、それ以外は非常に快適でした。

 

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