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レンタカー実践例 キューバで 中国製コピー車(ジーリーエメグランド吉利汽車 帝豪)を借りてみた  

キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba

失礼ながら”コピー車”と呼ばせて頂く理由
この項のタイトルとして、「中国製コピー車」と書いてしまいましたが、今回の車が直接何かをパクっているわけではありません。もっと言えば、この「吉利汽車」という自動車メーカーは、他の中国メーカーの「○○にそっくり」というクルマ作りに比べれば、まだましな方と言えるでしょう。しかし、どう擁護したところで、キャデラックの劣化コピーのエンブレム、ホンダ・シビックとトヨタカローラを足して2で割ったようなフロントマスク。先代メルセデスベンツSクラス(W221)そっくりの劣化コピーであるようなリアデザインなど、車好きがみれば、様々なパクリを感じます。そこで大変失礼ながらも、コピー車と呼ばせて頂きます。
EMEGANDはブランド名
どうやらこの「帝豪」(エムグランド)というのは、吉利汽車(ジーリー)のブランドの一つらしいです。と言うのも、中国国内の二ユースを検索していたら、『2014年4月に『吉利汽車は「帝豪」(エムグランド)、「全球鷹」(グリーグル)、「英倫」(エングロン)の3ブランドを「吉利」(ジーリー)ブランドに統合すると発表した 』とあったからです。
中国車を一言で言うと
「普通の日本人が中国車に乗った」時の素直な自分の印象を書きます。
よく、日本のホームセンターに電気製品(例えばラジカセ)がありますよね。その中に『見た目は日本の一流メーカーに何となく似ているけど、聞いたこともない、(おそらく)中国メーカーらしき激安の新品』が売っていたりしますよね。見た目や雰囲気は日本の一流メーカーに似ているけど、値段は半額から1/3という製品です。値段に惹かれて買ってみると、まさに”値段相応”の品質。見た目とは違って、品質は非常に悪く、不良品率は高く、すぐ壊れる。変なところが光ったり、見た目だけの意味のないスイッチが模擬的についていたりと、「基本的な動作や機能よりも、見た目が優先」という製品群です。
 自分が思うに、一般的な日本人が、中国車を買ったらそんな感じを受けると感じます。一見、いろいろな場所が光ったり、かっこいいスイッチが付いている気がするのですが、機能的に全く不要の照明だったり、必要とすべき機能が省かれていたり、求められる耐久性が全くなかったり、動作や作りが初期の段階からおかしかったりという印象を受けました。
キューバとレンタカー
旅行者としてキューバに行くのも大変ですが、レンタカーを借りるのも大変な国でした。とにかく”外国人旅行者が動けるインフラ”というものが、恐ろしいほど未整備で、全てがとても大変です(反対にそれがキューバの魅力でもあるのですが)。でも、そういうキューバだからこそ、レンタカーを使って自由に回れるメリットは大きいと思います。現地でのツアーも極端に少なく、公共交通機関も非常に使いにくいキューバでは、自分で運転できるメリットは計り知れないと思います。
実際の借り方
他の国の場合、ネットでササッと検索し、条件のあった会社で、数項目入力したら、それで終了。あとはその確認書を印刷して持参すれば終了です。最短で10分もかかりません。ところがキューバで車を借りようと思ったらそうはいきませんでした。まず、レンタカー会社が極端に少ないので、いろいろなサイトを(英語、そしてスペイン語で)いろいろ駆使して探しましたが、数社しかありませんでした。しかも出てきたサイトも、他のサイトの様にデータ―ベースと連動し、在庫や予約確認がすぐできるわけではありません。webページはあくまでも「連絡先」であり、実際の予約はそこからメールを書き、やり取りをしながら確認して行きます。自分は「ここが一番しっかりしていそう」と思えたサイトに英語またはスペイン語で3回ほどメールをやり取りして、予約を確定しました。その後、「クレジットカードで今すぐ決済して」とか「重要な国際会議が入ったので、希望の車はそちらに回すので、車種が変わる」など、更なるやり取りを数回しました。面倒ではありましたが、それだけやり取りすれば、相手が見えてきて、逆に安心する部分もありましたが、とにかくそんなやり取りをすべて印刷して、メキシコのカンクンから、ハバナに飛びました。
車の感想
車の品質ですが、はっきり言って“低品質”です。新車で買って数年は持つかもしれませんが、例えば毎日乗って、5年後は、半分も機能していないのでは?と思えるほど、信頼性に疑問を持ちます。上手に表現できないのですが、例えばスイッチ一つをとっても、新品でも工作精度がとても低く、ガタガタしているとか、力のかかる部分で、すでにプラスチックが割れかけているとか、変形してはいけない部分(ドアのフレームとか)ですでに変形が見られるとか、まさに枚挙にいとまがありません。もし選択肢がこれしかないとなれば仕方ないかもしれませんが、自分は絶対にいやだなぁと思います。例えばこの車の新車と、15年前の20万キロ超えた日本車のどちらかを買え、と言われたら、迷わず絶対日本車を買います。その程度の品質に感じました。
havana cuba まず紹介ですが、この車を借りて以下の世界遺産サイトを訪れました
ハバナ旧市街とその要塞群  Old Havana and its Fortification System
キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba トリニダとロス・インヘニオス渓谷 Trinidad and the Valley de los Ingenios
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
では、この車を借りるまでと、この車を借りることにまつわる話題を紹介していきます。まずここがキューバ唯一にして最大の国際空港、ハバナ空港です。しかし、ツーリストインフォメーションは小さなブースが1つ。両替所は1か所。お店は小さな売店が一つと、日本の第三種地方空港にも及ばない施設の貧弱ぶりです。わかってはいたものの、個人外国人旅行者には恐るべき不便な空港です。
havana cuba
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
空港にレンタカーオフィスは、当然あります。ただし、ここ一か所だけ。こんな売店のようなカウンターがその本部営業所のメインカウンターのようでした。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
別の場所にあった案内所らしきもの。良く見ると「レンタカー」とも書いてありましたが、書いてあるだけでそんなもの、全く扱っていないようでした。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
今回借りたのはこの車。深夜の到着でしたので、暗い中では、超車好きの自分でも、車種がわからず、「なんの車だろう?」と思って運転していましたが、夜が明けて改めてみると、これが噂のパクリ中国車だとわかり、別の意味で興奮しました。それにしても、このフロントマスク。ちょっと前のいろいろな車種の車に似ている気がします。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
後ろはもっと似ています。車幅が違いますが、一番近いのはメルセデスベンツの先代Sクラスかな。「W221」と画像検索してもらえれば、本家がでてきます。向こうの方がはるかに洗練されていてカッコイイですが。
キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
運転席周り。一瞬「コピー車っていうけど、結構しっかりしているじゃん」と思うのは写真だから。見た目の部分だけにはお金をかけよう、という意図が感じられますが、そもそも、実(実際の機能)が伴っていませんので、見た目だけです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
タイヤは「Giti (ジーティー)」というメーカーのもの。いわゆる中国の新興メーカーの一つですが、日本でも名古屋のタイヤショップが細々と輸入を始めたそうです。見ただけではタイヤの評価はできないのですが、トレッドパターンを見る限りあまりお金をかけて作られていないような感じのタイヤです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
一見、いろいろな光りものがあってカッコイイメーター周り。でも実際に機能しているのは、日本の軽自動車以下の機器だけです。左のタコ、右のスピードメーターはいいといして、中央上部の楕円は燃料計と水温計を配置。中央下部の四角の中は距離の積算計とトリップ計があります。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
この「実際の機能は少ないけれども、見た目はがんばってみました感」は、粗悪な中国製電化製品軍の作りに共通なものを感じます。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
こんな車でも120km/hは出ました。でも、妙な振動が絶えず続く上、ロードノイズが非常に大きく、音楽などを聞くには耐えられないほどの走行音がします。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
純正らしい、CDプレーヤーが付いていました。あとはエアコンと12Vの出力端子。エアコンも一応機能しました。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
・・・コピーとは言え、こうやって車の形にし、一応走るだけのものを作る技術を持ちながら、これは無いでしょう?と思えるのがこのエンブレム。どう見てもキャデラック(本家はこちら)の劣化コピーですが、これをつけるだけで、インチキな車が、完全にインチキな車になってしまうと思うのですが・・・。中国の車ディーラーには、こういったコピー車用の「本物のようなエンブレム(ただし模造品)」が販売されているらしいので、気になる人はそれを買ってつけると「はい、本物のキャデラック(のようなもの)出来上がり」となるのでしょうか?
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
フロントにも、この・・・・なエンブレムが付いています。何度見ても、どうしてこれをつけようと思ったのか理解できません。大変失礼ながら子ども番組の「なんとかレンジャー」のおもちゃについているマークにしか見えないワタシ・・・。

【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】

デザイン的には悪くないです。これだけのものが作れるのに・・・。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
トランクはきちんと開きました。開けるとき「ギギギ―」と変な音はしますが。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
エンジンは良く回りました。調べてみると直列4気筒。1.8L.
でも気になるのが部品の質。例えばこのボンネットフードを支えているバーを収納時に固定しておくプラスチック製のクリップは、ほぼ新車のこの車でさえも既に割れていました。日本車も昔はこの部品は金属で作ってあり、樹脂の信頼性が上がってからプラに変わってきたように思うのですが。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
137ps/6000rpm,172 Nm/4200rpm。なんだまともじゃんと思ったら、
もしかしたらエンジンは三菱製かもしれません。というのも三菱自工はかなりの中国車にエンジンを供給しているのだそうです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
バッテリーまわり。中国製の小さなバッテリーを使用していました。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
いろいろ調べていくと、実はこのGeelyというメーカー。中国のみならずベトナムやアフリカなど世界各国に進出しているそうです。だからこのメーカーを全く知らないのはいわゆる先進国民だけのようです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
このメーカーの車作りが??と思うのはキーにも感じます。自分の感覚では、このクラスの車ならば、とうぜん普通のカギ(シリンダー錠またはピンタンブラー錠)だと思うのですが、この車にはこんな四角いリモコンキー併用のキーが付いています。それならそれでいいのですが・・・。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
ここまで作るなら、しっかり作ればいいのに工作精度が甘いため、すでにキーが収納できなくなっていました。ほぼ新車状態の車なので、使用時間は多くないと思うのですが。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
キーは既にグラグラなので、キーを展開すると、本来の位置から軸がずれています。これ・・・そのうち壊れそうです。キー自体は簡単なピンタンブラー錠ですので、本来、複製も簡単にできそうですが、この形状ならばサブキーを作るのにも苦労しそうです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
夜。照明をつけると、実際の機能以上の場所まで青く光ります。光っても意味のない部分までLEDが組み込まれていますので、実際以上に一見豪華に見えます。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
後ろから見ると、それなりにカッコイイと思ってしまうデザイン。(ベンツの先代Sクラスのデザインですので、当たり前と言えば当たり前ですが)
キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba

【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
・・・と、あまりの車にいろいろ書いてしまいましたが、キューバの道路はとても快適です。理由は、車の数が絶対的に少ないためです。

【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
舗装は悪く、でこぼこですが、そんなことはどうでもいいのです。とにかく、この規模で、これだけ車の無い道路というのが天国です。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
高速を降り、地方幹線道路を走ってもこんな感じ。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
田舎道は、これまた素晴らしく良い環境です。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
気候に恵まれているキューバの自然的な豊かさが身にしみました。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
時にはこんな山道もあります。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
牛の大群が道路をふさいでいることもあります。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
見渡す限りのサトウキビ畑。規模は少なくなりましたが、共産主義時代のモノプランテーションもたくさん見られます。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
首都、ハバナから少し離れるとすぐこんな感じ。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
数が非常に少ないのですが、ガソリンスタンドもあります。車の絶対数が少ないので、これでいいのでしょうか。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
博物館にあるようなクラッシクカーが普通の国なので、こんな風景が日常です。ここのガソリンスタンドはフルサービスでした。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
うーん、この車はなんだろう?シボレーのピックアップの改造かなぁ?
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
別の場所でも給油しました。ここはセルフでの給油。結局、どうでもいいらしい。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
こんな感じの給油口。長靴みたいに突っ込まれているのが給油ノズル。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
オクタン値95の無鉛ガソリンを使用とのこと。キューバにおいてこれって、いわゆるハイオク指定ってことです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
ガソリンは1L 1.4CUC。約170円。日本よりやや高い程度かな。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
これが会計の場所。レジ近くにクレジットカードのマークがあったので、「おおっ」と思いお願いすると、当然のごとく「使えないよ」との返事。未だに国民用の通貨人民ペソ(CUP)と外国人用の通貨兌換ペソ(CUC)がある国で、クレジットカードが普通に使えるわけがないと反省。
キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
別のガソリンスタンドにて。
キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
世界の多くの国が「ガソリンスタンド=商店を併設」になっています。地図もなく道に迷った自分たちは道を聞くために、見つけたガソリンスタンドに行きました。
キューバの世界遺産 トリニダード/trinidad,cuba
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
トリニタード でも書きましたが、そのガソリンスタンドで妙に優しいキューバ人が英語で「おれが分かる道まで案内してやるよ」と乗りこんできました。旅人の世界の常識として「絶対に自分の車に現地の人をのせてはいけない」というものがあるのですが、つい断りきれなくて・・。結局、ものすごい高額なチップを要求されました。急速に観光地化が進んでいるキューバですが、残念なことに英語が話せる一部の人がタカリ・ボッタクリを始めています。それも含めてのキューバ旅行ですが、十分注意してください。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
ハバナ空港のレンタカーオフィス。公衆ト○レのようなこの建物が、営業所の重要な事務所になっていました。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
返却時の様子。散々悪口を言ってしまったこの車でも、キューバにとっては貴重な車。返却時はボンネットまで開けて、隅々までチェックされました。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
上に載せた営業所の遠景。国内最大の首都空港のメイン駐車場の様子でもあります。国内にある最新、最高の車が多数集結している感じです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
そうそうGeely(ジーリー)はキューバに他の車種も持ち込んでいます。これはEC178よりも小型の CK という車種。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
1.5Lと1.3Lのエンジンを積むセダンで、GMの大宇との共同開発とのことです。フロントなどがベンツのCクラス(W203)と似ていると外部機関から指摘されているそうです。
【キューバ 中国製コピー車(Geely EMEGRAND)】
ちなみに、2010年10月に行われたラテンNCAPにおいて前面オフセット衝突テストを行った際、安全性が劣るとして5つ星評価で星ゼロの評価となったそうです。