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貧乏海外旅行に出かけよう

貧乏海外旅行に出かけよう (個人旅行バックパッカーのススメ)

 
(photo:アルゼンチン・南部にて / スペインの小さな町での朝ごはん)
いきなり私事で申し訳ありませんが、このサイト管理人はお金がありません。正確に言うと普通に仕事を持ち、普通に暮らしているので、人並み程度の収入はあります。しかし、海外に出るとなればやはりある程度まとまったお金が必要ですよね。そこで普通の人は時期を見計らって「思い切って行くか」という事になると思うのですが、それでは行ける国の数が限られてしまいます。私は「好奇心が旺盛なウチに、体力が有り余っているウチに、各種記憶力が衰えぬウチにそして何よりも、こうして外国をフラフラしていることが社会的にも家庭的にも許されるうちに、どうしてもいろいろな国を回ってみたい」という欲求が抑えられなくなってしまいました。最大の目標は「とにかく安く、いろいろなところへ行こう」です。できたら「一般的なパッケージツアー料金の半額」を目指して節約旅行を計画します。言い忘れましたが、以下に書かれていることは基本的に「個人旅行」の場合の話です。パッケージツアーでは当然の事ながら全てが組まれているので劇的に費用を安くすることは困難ですが、何かのお役に経てばいいなと考えました。では、以下に順を追って、「どうやったらビンボー旅行ができるのか」「貧乏個人旅行はどうやってやるのか」のポイントを紹介しましょう。 
項目 ポイント
1 主催旅行と手配旅行の違い
パッケージツアーは旅行会社にとって「主催旅行」というものになります。それに対してこれから説明するものは「手配旅行」といいます。この違いを簡単に言うと、「主催旅行は、何かトラブルがあった時に、旅行会社の責任になる」「手配旅行の責任は、旅行者自身にあり、旅行会社は手配しただけである」ということ。つまり、「全ての責任は自分にある」ということを旅行者が自覚することが必要です。
2 思い立ったら吉日
航空券などは「条件の良いところから先に売れていく」という絶対法則がありますので、「あっ外国へ行こう」と思い立ったら行動することが何より大切です。不況などと言っている世の中ですが、成田空港の利用者数は増加傾向にあります。つまり不況だろうが何だろうが海外に出かける日本人はますます増えていると言うことなので本気で行きたいと思ったら一刻の猶予もありません。すぐに行動です。

3 出発日を決める

ほとんどの方は仕事なり学校なりがありますので、まずは「日本発が○月○日、日本着が△月△日」と使える期日を決めてしまいましょう。多忙な方は厳密に、余裕がある方はラフに決めておいて構いません。ここから全てがスタートします。

4 行き先を決める

当たり前ですが行き先を決めましょう。特に希望がない方でも、せめて「ビーチ系がいいのか、ヨーロッパ系がいいのか」程度は決めておきましょう。これまた当たり前のことですが、とても大切なことは「場所、季節によって航空料金が大きく異なる」ということ。当たり前ですが、同じ日に出発しても、ヨーロッパとアジアでは全く違います。しかし、ヨーロッパでも、冬と夏では数倍以上の差が出ますし、お盆や正月、ゴールデンウィークといった連休の有無、土日日本着などによっても値段が違います。
5 現地の情報を集める
さて、大体の行き先が決まったら、旅先の情報を集めましょう。その手段としては、
・インターネット
・ガイドブック
・JTB、日本旅行などのパッケージツアーのパンフレット 等があります。
この時、意外と使えるのが、ツアー会社のサイトや旅行パンフレットです。その会社のツアーには毛頭参加する気がなくても「ほほぅ、こういうルートをいくんだな」と参考程度にはなります。そして値段についても大体の見当がつきます。余計な話ですが「この値段よりもずっと安く行ってやる」または「この半額で行って来れたんだ」と妙な闘争心や優越感をかき立てる材料にもなります。
6 ネットでフライトやホテル、旅行会社やのサイトを探す
ネット上にはフライトやホテル、レンタカーや旅行会社のサイトが溢れています。そのなかから信用できそうなものを選びましょう。

7 フライトをサイトで予約する

以前でしたら旅行会社に足を運んだり、電話をかけたりしましたが、最近はネットの方が遙かに早くて便利だと思います。余裕があれば、日本語対応のサイトのみでなく、世界的なサイト(英語サイト)もチェックすると範囲が大きく広がります。自分が最近使うのはExpedia.com,Cheapticket.com,kayak.comなどですね。一見怪しそうなcheapticket.comも実際に予約してみると、機内の座席番号を画面で直接予約できたり、出発時刻変更のメールをくれたりと必要にして十分なサービスです。
8 旅行会社に電話をする
ネットで航空券予約でもいいのですが、少々複雑なルートだったりわりびきりょうきんがある場合など、やはり電話の方が良い場合もあります。具体的には「航空券を買いたいこと」「○月○日に日本をたって、どこに行って、どこからいつ帰ってきたいか」を伝え、各航空会社の値段と空席状況を聞き出します。何社もかけていると、だんだんその路線の相場が分かってきますので、様々な情報を取捨選択しながら最終的な日程と飛行ルートを決めましょう。旅行会社によっては「○月の△曜日、日本着は1万円UPだよ」という場合もかなりありますのでそういった情報も忘れずに確認した方がいいでしょう。
9 航空専門用語を理解しよう
旅行会社と話しているとき、またはプランを立てるとき、航空界用語を知っている必要があります。最低限の航空専門用語は理解していると話が早いです。
10 フライトスケジュールを知る
旅行会社の人と話す場合でも、自分の目当てとする航空会社のスケジュールを知っていると心強いでしょう。ホームページで探すのがベストです。
11 キャンセル待ちの場合は
航空券を探し始めるのが遅かった場合や人気の高い路線などはすぐに埋まってしまい「キャンセル待ち」という状態になります。これになってしまったら、ひたすら祈って待つしかありません。ただし、路線・時期によって「動きが大きい=キャンセルも出そう」な場合と、「動きが少ない=キャンセルが出る可能性が少ない場合」がありますので、それを読んで次の手を打っておくことも必要です。キャンセル待ちで待っていて、席が取れて、「正式に予約しますか」と聞かれるまでは正式予約にならない(=キャンセル料が発生しない)ので、別の路線や便をキャンセル待ちするのも一つの手でしょう。
12 ダブルブッキングはダメ
キャンセル待ちをしている時、つい、Aという旅行会社とBという旅行会社の両方に同じ便のキャンセル待ちをお願いしたくなります。しかし、これはダブルブッキングといって、モラルとしてやってはいけないこと。航空会社のコンピューターのキャンセル待ちリストで同じ名前が2件あると、自動的に削除される場合もあります。
13 購入する
数ある条件の中でベストなものを選び出し、購入しましょう。尚、業界のおおよその決まりとして「1ヶ月以内に取り消す場合キャンセル料が発生する」というものがあります。言い換えると一ヶ月以上前なら無料キャンセルが利くというわけなので早めに計画を立てて行動することが吉になります。
14 各種申請を自分でする
パスポートの申請は自分で簡単にできます。旅行会社に頼むと「手数料」として自分でやる場合の数倍かかるはずです。旅行会社に頼む場合も申請は誰でもできますが、受け取りだけは本人でないとダメです。ビザ(査証)の申請も旅行会社を通さず、自分でその大使館に電話して条件を聞いてから出かけられるときは直接出かけて取ってきてしまうと安くて確実です。例えばオーストラリアに行くとき、東京・三田のオーストラリア大使館へ直接行ったら30分ほどで観光ビザを発給してくれました。ただし個人ビザは発給してくれにくい国は旅行会社を通した方がカンタンで確実です。
15 海外旅行傷害保険に加入する
何が起こるか分からないのが海外ですから、保険には加入しておいくべきでしょう。しかも主催旅行よりリスクが大きい手配旅行ですので、必需品とも言えるものです。しかし、掛け捨てなので使わなければ、ただの無駄な出費になりますので、旅行会社のオススメする保険にそのまま入るよりも安くする事を考えます。それは「バラ掛けする」方法。携行品はいくら、救援渡航費用はいくら、というように必要とするものだけかけていくとかなり安くなります。ネット上の保険も結構使えます。
16 最も安い保険加入方法
「バラがけ」も安いのですが、より安くする方法は「保険機能のついたクレジットカード」にすることです。例えば三井住友VISAは年会費+500円で海外旅行傷害保険がつくものがありますのでそれを利用します。年に複数回行く人にとっては尚更オトクになります。ただ保証金額がいくらなのか確認する必要はありますし、最低限の保証しかないので、いざという場合は心配・・・とも考えられます。
17 クレジットカードを安く持つ方法
年会費のないクレジットカードを持つといざという時に役に立ちます。例えばセゾンやイオンがそうです。VISAまたはMasterがついているのに、入会金、年会費はゼロ。しかも有効期限が長いのでお勧め。ただし、上記の様な保険はついて来ませんし、キャッシュ機能が付いていなかったりと利用制限はあります。
18 余計な物は持っていかない
日本の方がやすいものは日本で仕入れる。向こうの方がやすそうなものは向こうで仕入れる新しいものは買わない新しいものは買わないで、むしろ古いものを持っていくことを考えましょう。詳しくは「旅の持ち物の心得」を参照。
19 100円ショップの活用
身の回り品はどうせ無くしたり、盗られたりするものだと思えば、できるだけ安物で済ませるのが基本。100円ショップなどでそろえると現地で捨てて来ても気がとがめません。
20 日本でしか買えないものを買う
例えばヨーロッパの鉄道パス。ユーレイルパスに代表されるこれらの一定期間乗り放題パスはEU以外の人間でないと買えないことも多いです。つまり日本で買うしか方法がありません。また、アメリカや南米を飛行機で回るための航空回数券(クーポン)なども外国でないと発券してくれないものがあります