世界の絶景ドライブ パタゴニア(アルゼンチン)
- パタゴニアとは、南米大陸の南端、アルゼンチンとチリの2ヵ国にまたがる南緯40度以南の地方の名称です。60mもの高さがあるペリトモレノ氷河や登山家の憧れ標高3,405mのフィッツロイ山。そして野生動物豊かなパイネ国立公園など自然の景観が凝縮された世界です。時間も費用も限られている自分は、何度かに分けてこの地を訪れ、僅かばかりですが車で走ってみました。3回に分けて走り、距離は合わせて1000km以上は走ったのですが、パタゴニアの規模とすれば、ごくわずか。パタゴニアの全てを走破するためには、少なくとも数週間が必要な場所なので、ほんのさわりだけではありますが、その雰囲気をお伝えします。
パタゴニア(南アメリカ大陸の南緯40 度付近を流れるコロラド川以南の地域の総称)全景
パタゴニアのメインルート、国道40号にて
パタゴニア中部の観光拠点、エルカラファテ El Calafate にて車を借りました。そのレンタカー屋の入り口です。
小さいけれどきちんとしたオフィス。
エルカラファテの街を出て、まず巨大氷河を見に行きます。途中に見えるのはLago Argentino アルヘンティノ湖。子どもたちも小休憩。
本当に雄大な風景が続きます。
「バンディラ岬まで23km。ペリトモレノ氷河まで51km。ニベポ・アイケ牧場まで54km」とある看板です。 南米に生活を始めたとき、「標識」がわかりませんでした。それは略語で表示されているからです。この場合例えば3行目の「Ea,」はEstancia エスタンシア:牧場の略語・・という具合です。ちなみにPUNTAはそのまま岬・先端の意味でBandelraとは”旗”だと思います。おそらくここに旗が立っていた岬なのだと予想します。
ペリトモレノ氷河を目指して走ります!
あまりにも道がきれいだったので途中休憩。
車の絶対数が少ないので、他の車にほとんど会いません。
あまり良い顔と言えないけど走りは一流のGOLくん
あまりにもきれいな道なので何度も外に出てしまいました。
・・・それもで数十キロおきですが。
エルカラファテからペリトモレノ氷河への道
ペリトモレノ氷河を見に行きました。ここが国立公園の入り口。
この地を訪れた観光客は必ず来る場所です。エルカラファテからは70km。バスで1時間から1時間半かかります。
ほとんどの方はツアーで来るそうです。または本数は少ないのですがバス。自分のように車をつかってくる人はごくわずかのようでした。
国立公園内の道はさらに車がいません
MIrador de los Suspiros ミラドールとは「展望台」。サスピロスって「ため息」だと思います。つまり「ため息展望台」かな?
おお、遠くにめざす氷河が見えてきました。
「バホ・デ・ラス・ソンブラ港 Puerto Bajo las Sombras
の様子。ここは Hielo y Aventura(氷と冒険の意味)社が行っているもう一つのボートツアーの港です
実はここは、ペリトモレノ氷河見学のための街道沿いにあるのですが、ややマイナーな場所であり、ここを訪れる人は少ないと思います。
こんな立派な観光船で、氷河の左サイドを見学しますが、右サイドを見学する大型船、大規模クルーズが基本コースとなっているためです。
でも、自分たちは勝手気ままな車旅だったので、せっかくならばと乗船してみることにしました。
巨大な駐車場。バスが立ち寄る場所なのかもしれませんが詳しいことはわかりません。
おお、これが目当てのペリトモレノ氷河です!!
実はこの前日に反対サイドから眺めたのですが、こちらからは初めて。
この小さな間隙が大切なポイントで、ここがこの湖の右と左を結んでいる場所です。ここに水流の流れがあるのに氷河がどんどん流れ出てくるので、時折巨大な崩落が見られる、という場所です。
それにしても美しい氷。
こんな感じの船で氷河に近づきます
これが自分たちが乗船した船。
空もきれいな日でした。
乗船後、車に戻り、展望台へ。駐車場からはバスで電防代の入り口へ移動し、少し歩くとこの氷河が見えてきます。
巨大で美しい氷河!
「決められた通路以外は歩かないでください。ごみは持ち帰ってください」とな。
透明度が高すぎるために青い光のみが拡散し、青く見える氷
本当に青く透明な氷なのです
下にいる人の大きさと比較してください。氷河の上を歩くトレッキングツアーも人気らしいのですが小さな子連れは参加できないので諦めました。
その分、ドライブをすることにしました!!
ドライブならば子どもは寝ていればいいですし・・・
美しい風景・・・・
どこを見ても、ため息の出そうな風景・・・
日本では感じない”水平線”を感じます
対向車がほとんど来ないのも異次元の雰囲気です
Punta Walichu とはワリチュポイント、またはグアリコの洞窟Cuevas de Gualichoと呼ばれるここの氷河期の先住民の描いた岩絵が残っている場所です。エルカラファテの街と空港の間にあります。この看板はその宣伝。
大きな氷河はすべて見たし、エルカラファテの町はコンパクトすぎてほとんどわかったし、でも時間もあるのでとりあえずパタゴニアを爆走!することにしました。
もっと日程的に余力があればチリ側やフィッツ・ロイなどの名峰にも行きたかったのですが、すでに次の町(アルゼンチン最南端、ウシュアイア)へ行く飛行機は押さえてあり、それほど遠くにいけそうもないのですが、とりあえず北上してみました。
国道40号線がドドーンと通っているだけなので、道は超簡単。
それにしても、本当に何もない世界・・・。
家も、町も、対向車も・・というより大きな植物すらない世界
ちなみにこの時期は日本の冬。つまり南米の夏になります。この短い夏のみが旅行者でもこんなに自由に動ける季節だそうです。
地図を見ているとたくさんの湖があることがわかります。もちろん、そこに観光船があるとか、立派な観光スポットがあるわけではないのですが、雄大な風景であるのは間違いないので、できればそこに行ってみたいと思って車を走らせました
真夏のはずですが、南極に近い分、気候はさわやかです。
日本で一番近い雰囲気と言えば、初秋の北海道(しかも道北あたり。例えば稚内に向かう国道40号線(おおっと、あちらも国道40号線だった))の雰囲気に似ています。
看板がありました。「2月19日。悪い天候の中を・・・。私は岬に向かって歩いていた。そこで面白いものを見つけた。・・急な崖一面に先住民が書いたらしい岩絵があったのだ(後略)。・・・・viaje a la patagonia austral 1876-1877 Francisco P. Moreno」
フランシスコ.P.モレノの著作「パタゴニア南部への旅」の一節だと思われます。この方はアルゼンチン人なら知らない方はいない、非常に著名な科学者、地理学者、探検家で、代表作がこの作品です。パタゴニアを探検し、学術的にも地理的にも重要な場所だと紹介した方です。先ほどの氷河も彼にちなんで名づけられています。
さて、また疾走します
エル・チャルテンまで188km。デシエルト湖まで226kmの看板。エル・チャルテンは、名峰フィッツロイ山の麓にある村で、非常に小さな町ですがパタゴニアの観光拠点として有名な町です。デシエルト湖はそのさらに奥にある長細い(といっても超巨大ですが)湖でここにも氷河があります
本来はエル・チャルテンにも行ってみたいし、フィッツロイも見てみたいけど、荷物はエル・カラファテの宿にあるし・・・ということで行けるところまで行ってみようと北上中。
パタゴニアはあまりにも広すぎて単なる平原だと思われがちですが、巨大な湖を結ぶ川もたくさん流れています。
国道40号沿いのチャリア川(Río Chalía)の支流
川は低いところを流れていますので、台地は基本乾燥しています。
西側にはアンデスがあり、そちらには高い山もあるのですが、それ以外の方向は基本的に平原です。
エルカラファテの街から100kmほど行った ラ・レオナ LA LEONAという場所のホテル兼レストランに行きました。
国道40号線沿いの看板です
かなり立派なたてものでした
観光案内所兼ホテル兼レストラン兼近所の集会所のようなところみたいです
なにもないパタゴニアの平原にこれだけのたてものがある不思議
おなかがすいたので何かを食べることにしました。
「え~と、何にしようかな?」
超巨大なハンバーガー。アルゼンチンはパンも肉もブラジルよりおいしいと思うのは気のせい?
おいしい食事をいただきました。
世界各地からの距離。この宿が国際色豊かなことがわかります。
ここのオーナーさんです。「どこから来たの?」「日本?よく来たねぇ」「日本人なんてめったに来ないよ」「うちの前の看板にも東京からの距離のサインがあるよ」ものすごくフレンドリーで、話好きなとても良い印象のおじさまでした。