三菱 パジェロミニ(H58A)のイグニッションコイル、プラグ交換

 

今回、パジェロミニ(H58A型)で交換するのは、エンジンの点火系の電装品、スパークプラグ、イグニッションコイル、スパークプラグの3つです。


さて、今回の作業はボンネット内のこと。マフラー修理などと違って下に潜らなくても良いのがうれしいですが、失敗すると動かなくなる怖さもあります。。、


では、今回の「燃焼系の電装品交換」のために購入したものを紹介しましょう。まず、プラグは、NGK IRIDIUM MAX SPARK PLUG
DCPR7EIX-P  No.5175を購入。5000円弱でした。 



2つめはイグニッションコイル。少なくとも6千円~1万円/個と、燃焼系の消耗部品とすれば、そこそこ高価な部品になります。基本的にガソリンエンジンには、1気筒に1個のイグニッションコイルが必要になりますがパジェミニはセミダイレクト方式ですので2個が必要です。


しかし言い換えると、1気筒1本のものに比べ負荷も2倍になるので、酷使していることになります。よって、同方式のランエボあたりでは、速ければ4万キロでヘタる、なんていう噂も聞きました。


適合する部品を探すとHITACHI製のものや、中華製の怪しいものがたくさん出てきました。悩みましたが、NGK 4857 U4032(2個で17,000円弱)にしました。


そして3つめ、スパークケーブルです。スパークプラグとイグニッションコイルを接続するカプラー付きケーブルです。本来は気筒数必要なものですが、セミダイレクトなので2本、つまりこの箱一つで十分です。上二つがNGK製でしたので、せっかくならばとこれもNGK製の「三菱 RC-ME98 ストックNo.8726」(3,000円程度)にしてみました。


さて、部品も揃ったので作業に入りましょう。

パジェミニの4A30エンジン、特にターボエンジンの場合、真上にインタークーラーがついてしまっているので、まず「インタークーラー」を外す必要があります。


「インタークーラー」と聞くとメカ好きはそれだけで心躍るのですが、何のことはない、エンジンに入る前の空気を冷やす(酸素密度を上げる)だけのハコなので、大きなお弁当のようなアルミの箱です。


自分のH58A型(多分最終型)の場合、インタークーラーは2本の12mmボルトのみで、固定されていますので、それを外します。


吸気・排気ポートが3箇所ありますので、そこも丁寧に外します。ここは外気からのインテーク。ラジオペンチをつかってホースバンドを動かせば難なく外せます。


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手前の斜めになっているハコがインタークーラー、真ん中上部に見えるのがかわいいターボチャージャー。


ターボから来ているホースは10mmのボルトでホースバンドで締めてあります。キコキコすればすぐに外せます。


そしてこれはエンジンの吸気にいれるインテーク側のホース。同じく10mmのボルトでホースバンドを外します。


無事、インタークーラーの接合部が外れました。


インタークーラーをぐるっと、回したところ。


せっかくなので、インタークーラー本体を見てみます。特に問題なさそうです。


では、それぞれの部品を交換していきましょう。インタークーラーを外すと、エンジン本体の上部が見えてきます。

H58A初期型や、H56A形式では、ここにインタークーラー固定スティがあって、それを外す必要が出てくるとのことですが、この最終型はそこが工夫されており、インタークーラー本体を外すだけでプラグ類にアクセスできます。たかが一工程ですが、整備性があがっており、三菱の工夫を感じます。


そうそう、いろいろいじる前に、この赤いキャップのホースを外します。これは「PCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ」といい ブローバイガスの還元バルブです。

ガソリンエンジンは、空気と燃料の混合気を爆発させていますが、その際どうしても未燃焼ガス(ブローバイガス)が生じます。その未燃焼ガスは、ピストンとシリンダーの小さい隙間をとおり、クランクケースに溜まっていってしまうのですが、どこかのタイミングで逃がしてあげないと、溜まったまま逃げ口がありません。そのまま放置しているとエンジンオイルや金属の劣化原因になるだけでなく、エンジン内の圧力が変わりトラブルの原因になることもありますのでバルブを設け、ブローバイガスの逃げ道を作っています。


この赤いのがPCVバルブです。4A30エンジンのPCVバルブは非常に壊れやすい・・と聞いていたので、慎重に外しました。


そして、イグニッションコイルから外します。まずは電源から来ているカプラーを外します。


無理な力をかけず、爪の部分だけを丁寧に触って2つのイグニッションコイルの電気的な接続カプラーを外します。


イグニッションコイル自体は2本の10mmのボルトで固定されているのでそれを外します。


特に大きな力がかかるわけでもないので、普通に外せました。


そうそう、重要なことを忘れていました。プラグ類をいじるときは、エンジン内部への異物混入を防ぐため、ゴミ、ちりが無いように、エンジン上部をブロワーで思いっきり吹いておきます。(エアコンプレッサーを持っていない時は掃除機で吸っていましたが、エアクリーナーの簡単掃除など、やはりコンプレッサーは便利です。)


イグニッションコイル自身は、そのまま丁寧に引き上げればすっっぽり抜けます。


さて、ここで購入した新品を出します。


新旧のイグニッションコイルの比較。うーーん、外見上、素人目にはよくわかりません。確かに古いほうはいろいろ弱っていそうだけど・・。


ここで点火プラグを抜きます。三菱のエンジンはプラグ付近が特殊形状で、専用または薄型のプラグレンチでないと詰まってしまうとのこと。仕方ないので、薄型のプラグレンチを購入しました・・・。


新しいプラグは・・・やっぱりいいですねぇ。


そうそう、ここでプラグ交換のコツの2つめ。プラグの金属のねじの部分に薄くオイルを塗布しておきます。廃油でも良いらしいのですが、お近くにあった適当な残りのオイル缶のものを塗っておきました。



プラグ交換まで終わったら、あとはもどしていくだけ。新しいイグニッションコイルに新しいスパークケーブルを接続し、準備完了!

あとはインタークーラーを戻すだけ。


外すときと同じように、ホース類を固定していきます。


本体を12mmのボルトで固定。


無事、インタークーラーの設置完了。すべての作業が終わりました。

 

交換後のエンジンですが、別物かと思うほど、回転がスムーズで、踏み込んでもグングン回っていきます。やはり燃焼系の電装品を新しくするとと非常に調子よくことがわかりました。もうしばらく、この車で遊べそうです。

三菱 パジェロミニ(H58A)のイグニッションコイル、スパークプラグ、プラグコード交換

【パジェミニの話ですみません】

輸入車の話題中心のこのサイトですが、今回はパジェミニのンジンの点火系電装パーツ交換の話です。BMWのメンテ記録、などと書いておきながら、大変申し訳ないのですが、足車として増車したパジェロミニに不具合があったため、その簡単整備を紹介します。

 

【今回の不具合】

マフラーの不具合と前後して、エンジンの高回転域、簡単にいうとアクセルを踏み込んだ時に、咳き込むというか、息継ぎをするというか、空気か燃料か、スパークか何かが足りない症状がありました。最初は「フューエルポンプあたりの不良かな?」と思っていたのですが、決まって高回転域、しかも冷温時に出やすいとなると、プラグとイグニッションコイルを中心とする点火系がダメだと感じました。修理工場に持っていく前に、この3つを替えてしまおうと考えました。

 

【イグニッションコイル】

イグニッションコイル(Ignition coilまたはspark coil)とは、点火プラグで放電するのに必要な電圧を作り出す部品で、ガソリンエンジンにおいてなくてはならない重要な部品です。原理的には非常に簡単で、コイルを2重(一次側と二次側)に巻いておき、電磁誘導によって、適切なタイミングで高電圧を発生させるものです。かつては一つのイグニッションコイルで発生させた高電圧をディストリビューター(分配機ですね)で各点火プラグに分配したり、ホンダのZC型、B型、D型やトヨタのY型、RZ型などディストリビューター自体にイグニッションコイルを内臓させてしまったエンジンもありましたが、点火プラグの真上に設置し、ケーブルを介さず直接高電圧を流すダイレクトイグニッションコイルなどもあります。

 

【パジェミニはセミダイレクトイグニッションコイル】

パジェロミニの4A30型エンジンは、直列4気筒エンジンしては、ちょっと特殊な点火方法で動いています。4気筒のシリンダーを2つのイグニッションコイルで動かしています。つまり、1つのイグニッションコイルで2気筒動かすわけで、負荷は2倍ですが、コスト的には半分になります。最近は聞いたことがない方式ですが、確かランエボ4~9あたりまでは、この方式だった気がします。前置きが長くなりましたが、よって4気筒なのにイグニッションコイルは2つで良いわけです。