BMW X5 のバッテリー交換

X5(E70)に使用されている純正バッテリーです。品番 90 60 0 309 270。ネットで正規部品を販売している店を探すと何店かヒットしました。そこには 「価格 58,500円 (税込 63,180 円)」
とありました。わおーーーー。ネットの上での販売価格がこれですので、確かにこれをディーラーさんにお願いすれば二桁万円が見えてくる金額になるのかもしれません。

高価な理由は、「ドイツ製の純正部品だから」というのもありますが、これ、最近のBMWで使われているお約束の「AGMテクノロジー搭載BMW純正バッテリー」でした。AGMとは、Absorbent Glass Mat:吸収グラス・マットという技術でして、要するにバッテリーの電解液である硫酸をグラスファイバーマットに吸収させた完全密閉型のタイプの事。内部抵抗が少なく、かつ電極が最大化できるため、高効率・メンテナンスフリーという優れた特徴を持つバッテリーです。唯一のネックは、生産コストが高いとのこと。


いろいろ調べていくと、純正部品でなくても互換品でいけそうだと判断して、これを選びました。

BOSCH製 BLACK-AGM BLA-95-L5 95Ah 26000円(送料込)

AGMのバッテリーですが、純正品の容量が90Ahなのに対し、95Ahと少し増えてしまっています。どうしよう・・・とためらいましたが、結局これにしました。というのも、普通であれば「よーし、少し電源に余裕ができぞ」と無条件に喜ぶのはずですが、BMWの場合は状況が違うのです。簡単に言うと車のコンピュータにバッテリー登録情報が記録されているので、このままでは最大容量まで利用できないのはもちろん、不具合の可能性もゼロではないのです。
それでも、26000円 という値段でしたので、「困ったらディーラーに持っていけばいいや」と気楽な気分でポチってしまいました。


では、交換してみましょう。30kg近くの重さを持つX5のバッテリーはリアの床下にあります。バックドアを開けて、床下収納のゲートをあけた荷室手前にバッテリーが収納されています。


覆っている大きなカバーを取るとバッテリー本体がでてきます


ちなみに電圧を測ってみました。結果は驚きの9.4V。エンジンがかからなくなった朝から1週間放っておいただけなのになんでこんなに下がっているんだろう?とにかくこの電圧じゃ何してもダメなことは確かです。


バッテリー交換の鉄則「はじめにマイナス端子を外した」ところ。これは念のために車側マイナス端子に絶縁の軍手をかぶせた図です。もし、プラス極から外すとなると、作業者(接地面を考えマイナス側)がプラス極にアクセスした瞬間、作業者側に通電が起こる(感電する)気がしますので、ここはちょっと重要なところです。



そうそう、AGMバッテリーの特徴、車両側排気(ベントプラグ)の端子を忘れずに外します(写真中央の小さなパイプ)。このあと、プラス端子を外して、本体を固定しているパーツを順に外していけばバッテリーが外せます。

新旧のバッテリー比較。さすが完全互換のBOSCH製(?もしかすると純正品もBOSCH?)なので、大きさ、端子の位置までぴったり一致です。



このあとも非常にシンプルで、新しいバッテリーを組みこみ、先ほどと逆の順番にネジをしめていけばOK。最後にマイナス端子を接続し、優しく増し締めすれば作業完了!(プラス極のネジににネジ締めのトルク表示もありました。さすがBMWと思いつつトルクレンチを持っていないので、なんとなく締めておきました)


念のため、電圧を図ると12.6V。まぁこんなもんでしょう。


エンジンをかけると無事一発で始動。めでたしめでたしですが、X5はこのあとおまけがあります。電源がリセットされるとステアリング、4駆システムなどのリセットを要求されます。場合によってはハンドルを左右に最大角切るなどの操作が必要な場合もありますが、今回はこれが出ただけで、このまま数百メートル程度運転すれば、自動復帰しました。

・・・・本当はさらにこのあとおまけがつきます。

実はバッテリーの登録(リセットとレジストレーション)をコンピュータ上で行う必要があるのです。具体的には「車両側のOBD2端子と、PCをUSB経由でつなぎ、ToolSet32 か INPA でリセットし、レジストレーションをする」という作業が必要になります。 もっと言えば、「NCS EXPERTから、現在のCAS設定を全て書き出したあと、NCS Dummyで読み込み、バッテリー容量を変更して書き出し。そして NCS EXPERT でコンピューターへコーディング」なんてことをする必要があります。
・・・とは言っても「バッテリーのレジストレーションなんてしなくても大丈夫かな?」という気がしないでもないので、とりあえずこのまま様子を見て、必要だったらやってみよう、と思っている今日この頃です。・・・自分は多分PCや英語も嫌いでない(というかむしろ好きな方)人間ですので、おそらくやればやれないことはない気がしていますが、「どーしても必要でないものならば、大丈夫じゃないのかな?」なんて気がして現在放置中です。・・いずれまたディーラーさんに点検に行きますし・・。

BMW X5 xDrive 30i

X5のメンテナンスはいつも近くの正規ディーラーさんで見ていただいています。そのディーラーさんから、「バッテリー交換の時期が近いですね。次回の点検時あたりが交換の時期だと思います」と言われていたので、それとなく意識はしていたのですがある冬の朝、エンジンがかからなくなってしまい、これはバッテリーがダメになったと直観しました。
 正規ディーラーさんは非常に親切で誠実な対応をしていただける店なのですが、以前、バッテリー交換のおおまかな費用を聞いたところ「10万円・・・とまでは行かないですが、X5は容量も大きいので安くはないです。7万円から8万円と考えていただければ・・・」とおっしゃっていたことを思い出し、「バッテリーごときで10万円??」とつい考えてしまい、自宅まで修理に来ていただくのをためらってしまいました。
 毎日車を使っている自分ですが、幸いこのX5が使えなくても、使える別の車がありますので、性急に修理をする必要もありません。よって「せっかくだからバッテリーを自分で買ってみて、自分で交換してみよう」と思いつきました。