BMW 320d xDrive (G20)
BMWのDセグメントセダン、.3シリーズにおける7代目にあたるG20型320dxDriveです。
サイドビュー。先代のF30系よりもちょっと大きく(悪く言うと太った)印象を感じるのは自分だけでしょうか?それほどサイズは変わっていないのですが。
キドニーグリルは従来の2分割型からひとつのフレームで縁取られるデザインに変更されました。4灯式ヘッドライトも下部に設けられた切り欠きがアクセントとなって、ちょっとイカツイ印象にもなっています。ちなみにこのキドニーグリルには、必要に応じて空気の流入量を調整可能な「アクティブエアストリーム」と呼ばれる電動開閉システムが組み込まれているそうな・・・。
先代3シリーズのF30よりも、全長は85mm、全幅は16mm、全高は1mm拡大されましたが、重量は約55kg軽くなりました。
リアの印象が先代と大きく変わりました。リアコンビネーションランプ類が細く、よりスタイリッシュに。
今回の3シリーズのコードネームは、セダンがG20、ステーションワゴンであるツーリングはG21。加えて先代同様、クーペ(G22)・カブリオレ(G23)・グランクーペ(G26)となります。4シリーズとしてリリースされた高性能版のM3には、セダン(G80)に加え、初となるツーリング(G81)も設定されました。
日本では2019年3月に発売されました。街で見かける機会も増えました。
B47D20B型 直列4気筒DOHCターボ
ディーゼルエンジンです。排気量1955cc、最高出力190ps/4,000rpm. 最大トルク 40.8kgm/1,750-2,500rpm。このB47D20B型は、自分が乗っているF31系に搭載されているN47エンジンの後継でボア(内径)84.0mm×ストローク(行程)90.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジンです。ちなみにBMWのエンジン形式ですが、4文字目のアルファベットは、A: 横置きFF用、B: 縦置きFR用、D:デーゼルを表し、
7文字目のアルファベットは、A: スタンダードパワー、B: ハイパワー、E: さらなる高出力バージョンなどの意味があるらしいです。
このエンジン最大の特徴が「ターボチャージャーがシーケンシャルツインターボに置き換えられたこと」。でもBMWに詳しい人なら「ん?今までだってツインターボって書いてあったじゃん」と思われるかもしれませんが、今までの「BMWツインターボ」はシングルターボであっても「ツインパワーターボ」(排気を効率良くタービンに導くためのツインスクロールターボ)を称していたことも多かったのですが、このエンジンは正真正銘、大小2基のターボが回転数と負荷に応じて動きます。N47型もそいうですがBMWのエンジンユニットは50cc/1シリンダーが基本になっていて、今回の2Lエンジンも4気筒しかないのですが、この場合排気圧が十分に得られないため、単にターボを2基にしても低回転でのレスポンスが悪いため、それに対応するためのシーケンシャルターボ、というわけです。プライマリー側には可変ジオメトリーターボ:VGTが採用され効率をあ
げています。
リアのエンブレム。日本で販売している320dは、このノーマル320dか、Mスポーツかの2択のようです。
XDrive、いわゆる4WDです。BMWのxDriveは、センターデフ内の多板クラッチを電子制御することにより、フロント:0-リア:100のFR状態から、フロント:50-リア:50の完全四駆までシームレスに可変する仕組みで、FRの楽しさを残しつつも、四駆の安定感もある、というかなり賢い機構。そもそもFRベースの四駆はフロント下部の変更が、通常のFRモデルと比べて、かなり複雑のはずです。通常のトランスミッションの後端にトランスファーアクスルを置き、前方に短いながらもドライブシャフトを介して、デファレンシャルによって前輪を駆動する仕組みを作りこむ必要があるからです。このG20のXDriveがどこまでやっているかわからないのですが、これらの機構を組み込むため、エンジン搭載位置も上げているかもしれません。
使いやすいドアと後部座席。Dセグメントセダンとしては十分です。
トランクも十分に広いですね。トランクリッドの支持ステーが樹脂加工された太いものになっていて、安定感を感じました。電動開閉化に対応しているだけかもしれませんが。
トランクリッドクローザースイッチ。「こんなもんパワーリッドにしなくて、手で閉めれbばいんじゃない?」と思いますが、両手に荷物を持っている時など、あればやはり便利。
タイヤサイズは225 45/R18。 黒のカッコいいシンプルなホイールはブレーキダストが出やすい欧州車としては「掃除がしやすいデザイン」であることがうれしいです。
後方の死角に車両がいると三角形にオレンジ色が光る、レーン・チェンジ・ウォーニング内臓のドアミラー
インテリアを見ていきましょう。BMWらしい、シンプルなうえに上品さを感じられる室内空間です。
コックピットのデザインが大きく変わりました。最大の変更は、タッチ操作に対応した10.25インチのコントロールディスプレイと、12.3インチのデジタルメーターパネル。あの、見慣れたタコと速度計のアナログメーターが無くなってしまいました・・・。
シフト周辺です。8速ATは変わらなくてもアナログな物理的操作シフトが消えてしまいました。シフトチェンジは小さなスイッチを、少し操作するだけ。加えて、このG20から、6MTが消滅してしまいました! 先代までまでは設定されていたのに・・。
手動式だったサイドブレーキもボタン式電子パーキング・ブレーキ、オートマチック・ホールド付きに変更。
大変革と思える変更の一つ、ボタン型ライトスイッチです。欧州車の基本のロータリー式を改め、単純なスイッチ類になってしまいました。しかも、真ん中に大きく「AUTO」が鎮座しています。つまりAUTOがデフォルトだと明言しているスイッチ類になります。
運転席側のパワーウインドウですが、ここも大きな変更を感じる場所。パワーウインドウスイッチの上に、パワーシートのメモリースイッチ。つまり、今まで椅子の下部を見ながら操作していたパワー運動のメモリー位置への移動が、視線を少し横にするだけでできるようになりました。欧州車好きには有名な話ですが、メルセデスはかなり前からここの部分にこだわって、ドライバーの視界に入る場所にこれを配置していたのですが、BMWはシート下部への設置も多く「シート調節は発車前に」という思想を感じていました。
ドリンクホルダーのすぐ近くにUSBポートがついています。先代まではセンターアームレストの収納BOX内だったので、スマホの充電には便利だけど、自分のように音楽や画像のUSBメモリを指したい人は指しっぱなしが少しみっともなく感じるかも・・。
ドリンクホルダーを使わない際は、スマートなフタが出てきます。確実に進歩しているところです。
セダンでも日常遣いを飛躍的に向上させる、トランクスルー機能ももちろん搭載。
イグニッション、オンで、センターパネルにはBMWマークがお出迎え。
音声やジェスチャーで車両の操作や情報へのアクセスができる「BMWインテリジェントパーソナルアシスタント」も導入されています。
10.25インチのコントロールディスプレイと12.3インチのフルデジタルメーターパネルからなる「BMW Operating System 7.0」が搭載されています。かなり操作がしやすくなっているのですが、機能が多すぎて、初めての人はかなり戸惑うかもしれません。
10.25インチのコントロールディスプレイに出てきた車両情報画面。BMWオタクはこんな画面が出てくるだけでもうれしくなってしまいます。ふと思ったのですがボディカラーが違えば画面の色も変わるのかなぁ・・。
手持ちのiPhoneと連携し、地図アプリや音楽アプリを使用できる、Apple CarPlayが対応しています。この車はiPadでもあるらしい・・・・
BMWの全周囲カメラ、トップ・ビュー・カメラとサイド・ビュー・カメラの様子。ドアの開放時の範囲まで表示してくれます。
自動運転支援機構の一つ、ステアリングを自動的に操作し、 常に車線の中央を維持する、ステアリング&レーン・コントロール・アシスト動作時の様子です。また 日本初認可の高速道路渋滞時ハンズ・オフ機能を備えた、ドライビング・アシスト・プロフェッショナルも搭載しているとのこと。
・・・とまぁ、たくさんの機能がついていますが、別にそれを使わない場合は、当然ながら、単なる普通の車として運転もできます。必要以上に機械がアシストしたがらないのはいいですね。
夜間、内装のイルミネーションは青でした。もしかすると先代のように色が変えられるかもしれませんが、この雰囲気もいいですね。
インパネセンター回りも良い雰囲気です。
そうそう、前方についているカメラを表示させることも可能です。左右のものも良く見えるので、例えば住宅街を走る際、死角に入ってしまう小さな子どもの飛び出しなどを監視するのに良い機能だと思いました。
高速も含めて、いろいろ走らせてみました。車としての完成度はとても高いですね。走る・曲がる・止まるが高い次元でまとまっている上、最新機能も超充実、とても良い車だと思いました。
最大の問題は、気軽にこれに乗り換えるだけの財力が課題です、
参考までに車両本体価格は732万円(Mスポ)。
うーーん、乗り出し800弱かぁ・・・・・・・。