チュニジア、いや北アフリカ最大と言っても良いローマ時代の遺跡です。ここにはローマ時代を中心に紀元前3世紀から、ビザンチン帝国までの遺跡がかなり良い状態で残っています。繁栄を極めた4世紀頃には1万人もの人が住んでいました。今は時折観光客が訪れる程度で、遺跡までの公共交通機関もありません。チュニスから100km程度なのでチュニス発のツア−でやってくる人も多いらしいが、とにかくチュニジアにきたら是非訪れる価値のある遺跡です。トゥッガは紀元前3世紀にヌミディア王国に属し、カルタゴの強い影響下にありました。この時代のものとして、高さ21mの「lリビコ・プニック廟があります。碑文によると「ヌミディアの指導者、アテバン、イエプタマタの息子、パルの息子」を記念したものらしいのですが、ローマ時代以前のものが残っているのはチュニジア国内では大変希です。そして遺跡の大部分を占めるのがローマ時代の遺物。紀元前46年から始まったローマの支配によりローマ的な街が築かれました。市民の集会場であるフォーラムを中心にして、主神ユピテル()ジュピター)、女主神ユノー(ヘラ)、ミネルバを祀る神殿があります。そこを中心にして、劇場、凱旋門、浴場、住居、貯水場などが残っています。中でも興味深いのはトリフォリウムの家(Maison du Trifolium)と呼ばれる建物です。トリフォリウムとはクローバーの事。実はこは売春宿でもともとドアのレリーフにはペニスが彫ってあったのだといいます。しかし、観光客のことを考え急遽、それをクローバーに書き換え、名前まで変えてしまったという逸話もあるそうです。しかもここの家、隣が浴場になっています。つまり、浴場に入り、そのまま表に出ることなく宿に入れる仕組み。2000年前とは言え、その細かい配慮には恐れ入ってしまいました。