普通の日本人旅行者が、ロシアを、しかも冬に、レンタカーで運転なんかできるの? |
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冬のロシアを |
ネット界で、いつもファンキなー話題を提供してくれる国と言ったら、やはりロシアと日本。特にロシアは「おそロシア」の枕詞と共に、様々なハチャメチャ動画が掲載されていることで有名です。そんなロシアですので「普通の日本人旅行者がレンタカーで走るなんてとんでもない」と思っていたのですが、やってみたら運転できてしまったので紹介します。 2019-2020の年末年始、久しぶりにまとまって休みが取れる機会がありました。その際、ロシアに滞在できる機会があったので、 ついレンタカーを借りて運転してしまいました。 |
冬のロシアでレンタカーを運転することになった経緯 |
とにかく外国に行ってみたい!という「海外に行ってみたい病患者」の私。ようやく休暇が取れそうだ、となり、計画を立てようとフライトを検索していたら、今回の旅はロシア経由のアエロフロートを使うのが最適、という結論になりました。 「せっかくロシアを経由するなら、ついでにロシアの街も歩きたい」と考えました。しかし与えられた時間は正味2日。空港への往復など、時間的余裕から見て、行動できるのはモスクワ周辺が限界という感じだと考えました。モスクワと言えば、赤の広場などの中心部・・・は当然として、少し離れた教会や修道院もに行きたいと思いましたが、やはり移動に時間がかかり難しそうだなと感じました。 よって、考え方を変え、かねてから行きたかったモスクワ近郊の、ある博物館にしようと考えました。その博物館とは、旧ソ連の航空機が展示してある「モニノ空軍博物館」です。モスクワ市街からわずか48kmほどのこの博物館。昔からそのスジの方には有名なのですが、決して一般的ではなく、そもそも空軍施設の中にあるので、そこまでのアクセスが非常に乏しく、モスクワ中心部から鉄道を3本ほど乗り継いでいく必要がある上、駅からかなり離れていて、歩くのもなかなか大変そうな場所にあります。また、仮に無事にたどり着けたとしても、その逆をたどって、モスクワ中心部に帰ってくるのもかなり大変な感じでした。 わずか50km。日本国内ならなんとでもなる距離ですが、なんといってもロシア。すごく悩みあきらめかけましたが、「でも、ここで諦めたら、多分一生行けない」と考え直し、鉄道がだめでも、最悪の場合にはタクシーをチャーターするか、現地の旅行会社に手配することまで考えました。 そんな時、ふと、「日本の国際運転免許で運転できる国にロシアが明記されている」ことを思い出しました。そうなんです!国際免許の条約において、日本の加盟しているジュネーブ条約批准国にロシアも加盟していて、制度上、日本の国際運転免許があればロシアで運転できることは明らかでした。 でも・・・。ロシアを運転した、レンタカーで運転した、という日本人の話はほとんど聞きません。しかも季節は真冬。日本国内だって、雪に慣れていない人が真冬の雪道をレンタカーでドライブ、なんて無謀なことをする方は多くないと思います。まして、ロシア・・・。 交通事故率はとてつもなく高く、しかも運転が荒いことで有名なロシアを、冬に、普通の日本人旅行者が運転するなんてどう考えても無謀すぎます・・・・。 しかし・・・。 悩んでいても仕方ないので、どう転んでもいいようにいくつかの案を準備し、あとは現地で判断することにしました。公共交通機関を使っていく方法も詳細まで確認し、乗換駅や切符の買いかた、駅から博物館まで歩く経路などについても、できるだけの資料をそろえました。また、万が一、車が運転できる状況になったことも考え、走行ルートや所要時間。周辺の主な地名や道路の注意事項についても情報を集めました。 また、モスクワに関わったことのある人からも話を聞きました。「運転ねぇ。普通の人はやめた方が絶対にいいよ。でも今年の冬はマイナス18°ぐらいで温かいから、運転しやすいかも」などという訳のわからない、何のにも立ちそうもない情報なども仕入れ、 「もう、とにかく行ってから考えよう」という状態になりました。 そして、いよいよ現地到着。 現地についてみると、びっくり。温かいのです。いや正確に言うと「寒くない」のです。しかもどこを見ても雪はなく、天気予報を見てもしばらく雪は降らなさそうでした。(後で調べてみると、自分が訪れた2019-2020の年末年始は、モスクワで史上最も気温が高かったとのことです。)予想通り道路状況もあまりよくなく、また一般の方の運転も、多少荒そうですが、それでも自分の許容範囲内です。 「・・・・ううう〜ん。これならレンタカー、行けるかも・・・」。 電車に揺られ、流れゆくモスクワの街並みを見ながら、悩みに悩みましたが、「動いてみて、だめなら途中でやめよう」と考え、やはり車を借りることにしました。そしてモスクワ市内を電車で移動している際に、スマホでレンタカーを探し、予約してしまいました。 |
安全確保の |
そうはいっても、ロシアをしかも冬の時期に外国人がレンタカーを運転するのは無謀なことに間違いはありません。そこで自分なりの様々な安全確保策を考えました。 1 自分の走るであろうルートを確認する 安全のために出発地から目的地までの道を、単に調べるのではなく、車線や道幅、交通量の感覚から、走れそうな道なのかをストリートビューで確認しました。車線的に走れそうか、休憩所はどこかなども注目点です。 2 リスクが高いルートは最初から行かない 自分の場合、SVO空港から、50kmほど離れたモニノの街に行くのが目的でしたので、郊外から郊外へのルートで十分で、事故率が高くなる中心部には近寄りもしませんでした。よって車の運転が心配なモスクワ中心部は、地下鉄・バスで移動することにしました。 3 時間的余裕を取る 急いで目的地に向かうとろくなことはありません。また返却まで時間敵余裕がなく、ぎりぎりで動いていると、道を間違えた、渋滞しただけでも致命的な事態になります。また返却も時間がかかることも予想されます。返却前にガソリンを入れて、返却地に無事にたどり着き、係員のお兄さんを呼んで、車の状態を確認してもらって・・・なんてやっていると、かなりの時間がかります。車で動くからこそ、その前後には十分に時間的余裕をとりました。 4 レンタカー会社は大手で借りる 地元の中小会社で借りると割安になることも多いのですが、料金のトラブルがあったり、車が古かったりします。大手は料金がやや割高ですが、支店も多く、事故の時も連絡先がたくさんあります。車も新しいことが多く、故障も少ないので、結果的には安上がりになる気がします。 5 借りるとき、保険にはすべて加入しておく 車を貸し出すとき、保険加入の有無を聞かれます。このとき保険に加入しなければ驚くほど安く借りられるのですが、やはり何かあった時を考え、保険加入は絶対に必要だと思います。今回も免責ゼロのフル・プロテクションで保険に加入しました。 6 ナビを用意しておく 道の間違え、車線の間違えが大変なロスにつながることがあります。何よりも道がわからなくて車線をうろうろすることは重大な事故につながりかねません。今回もちゃんとロシアで使えることを確認したうえで持ち込みました。 7 お金の準備、連絡先の準備 万が一の場合、やはり大切なのはお金です。場合によっては交通違反切符を切られたり、警官に賄賂を要求されるかもしれません。そんな時頼りになるのがやはりお金。それも現金です。よって自分はいつもやや多めに現地通貨を両替し、持参しています。今回も多めにロシアルーブルの現金を用意しました。また念のためにUSドルかユーロの現金もある程度の金額いつも持ち歩いています。もちろん持ち歩くリスク、そして再両替の非効率さは承知の上ですが、それ以上に緊急事態に対応できないリスクの方が嫌だからです。また、クレジットカードも複数ブランド、複数枚持っています。具体的には常時VISA4枚、MasterとJCBとAMEXを各1枚、各所に分散して持参しています。また、スマホと緊急連絡先を確認し、何かあった際は、どこに何を連絡すればいいか、常に考えました。 8 無理をしない 旅先で、体調が悪くなることもありますし、寝不足でフラフラになることもあります。また気象条件が悪すぎたり、市内に大きなイベントがあって交通がマヒしていることも想定されます。そういった場合は、無理せず、潔くあきらめる気持ちをいつも意識しています。特に何かを予約していると、その予約金を没収されてしまうのが嫌で無理をしたくなってしまうのですが、事故に遭うよりよほどいいと考え、無理をせず、時には中断する勇気、余裕を持つことをいつも考えています。 9 その他、最悪の事態を想定し、いざというときの手を打てるだけ打っておく レンタカーを利用しての最悪の事態はやはり交通事故。万が一事故にあってしまったらどうしたらよいか、シミュレーションしておきました。警察、病院、レンタカー会社、保険会社に連絡して・・・。 言葉が通じなかったら、言葉を通じさせるためにどうするかについても考えます。スマホなどの機械翻訳が使えればそれで。それもダメなら Пожалуйста, позвоните кому-нибудь, кто может говорить по-английски(英語が話せる人を呼んでください)と連呼するか・・・なんて考えていました。 また、他のトラブルも想定します。例えば何らかの原因によって、ナビが使えなくなったとしましょう。もし、そうなった場合、スマホの不具合か、モバイルルーターの不具合か、車の電源系統の不具合か、それとも現地通信会社の不具合か原因が分かったところで、即トラブル解決にはなりません。そこで「もしナビが使えなくても無事、車を返す方法」として、自分は返却地を「空港」にしています。空港ならば、幹線道路に標識が出ていることも多いですし、何よりも、道端の人に聞いたとしても教えてくれる可能性が高いからです。 また、目的地までのルートを紙に印刷した地図や、名称や写真を印刷した用紙も持参しています。現地の方に聞くのに有効だからです。 以上です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ えっと。 ・・・本当を言うと、ここに 10 現地の言葉、ロシア語をきちんと話せるように勉強しておく というのが加わると思うのですが、言語が苦手な自分はとても無理です。もちろん、最低限の会話は何とかしようと思って挑戦しますが、やはり短時間に習得はできません。でも、運転する際は、標識や地名で絶対に必要なので、最低限の言葉はわかるようにしておく必要があります。 |
Hyundai (現代) ソラリス の感想 |
「韓国車、ヒュンダイの車の話をしたい」、というだけで、最近の日本人の方には敬遠されてしまいそうなほど、今は日韓関係が大変な状況です。でもここでそれを論じる気はありませんので、ここでは純粋に”車”として韓国の車を考えて見たいと思います。 最近、ヒュンダイの車は、初期のものに比べてかなり良くなっていると聞きます。今から数十年前、世界に進出しだした頃のヒュンダイの品質やデザインはかなり心配なものでしたが、最近のものは非常によくできていると思います。考えてみればいまや日産マーチだってタイ製ですので、いろいろな意味で自動車会社の国籍、製造国の差異は少なくなってきているように思います。 それどころか、車種によっては、ヒュンダイの車は日本車にない、奇抜で先進的なデザインをしていることもあり、日本以外のかなりの国でそれなりのシェアを持っているのも事実です。 さて、今回のソラリス。ヒュンダイがかなり前から作り続けているアクセントの5代目、ということで、かなり洗練された印象があります。まず外観のデザインですが、1.6Lの小型セダンとしてはパッケージングも良く、前後のまとまりも上手だと思います。このクラスのセダンとしては十分美しいデザインだと個人的には思います。 運転した印象ですが、これまたこのクラスとしては十分な動力性能と、適度な運動性能を感じました。エンジンは非力ではありますが、車重が軽い小さめなボディに6速ATですので、街中を流す分には全く問題は感じません。少し出足がゆっくりですが、速度を求める車ではないので、こんなセッティングで十分と感じました。エンジン音ですが、回転を上げるとややうるさいものの、それほど気になるものではありません。音でいうならば、今回気になったのはロードノイズですが、今回、乾燥舗装面をスパイクタイヤで疾走させており、その音が邪魔していると思うので、本当はもっと静かなのかもしれません。 内装もかつてのヒュンダイ車のように、全部同一の安価なグレーのプラスチックでできているなどと言うことはなく、いろいろな材質を適材適所に配置しそれなりの質感もあり、このクラスとしては十分良いものだと思いました。シートもしっかりしており、十分な質感です。 あえて言うならば、個人的に少し気になったのは、ドアの開閉やトランクの開け閉めの時、日本車よりも気持ち質感が落ちるかも、という気がしました。具体的には日本車の普通車の「バタン」という重量感のある開け閉めの感覚ではなく、軽自動車の「パタンッ」という、軽い開け閉めの感覚に近い気がしました。(あくまでも個人の感想です) あとは、メカ的にも操作系もそれなりに良くできた車だと感じました。値段がわかりませんが、ヒュンダイの戦略からすると決して高い金額ではないはず。それなりの商品競争力をもった車になっている、と感じました。
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