ブラジルの車検制度 ControlAR -inspeção veicular ambiental
- ブラジルの車検制度のなにが大変かと言うと「申し込み・支払い・検査は自発的に自分で行う」「もし行わないときは罰金、その他の不利益がある」ということだけでなく、「少しでも違反が見つかるとその時点で少なくとも車の没収」という厳格なペナルティがあること。国が適当なので、役所の仕事はかなりいい加減なのに、ユーザーの失敗は絶対に許さないという不条理なしくみは・・・文句を言ってはいけませんが、やはり途上国という感じです。
- では、実際のこの車検制度の様子を見ていきましょう。まず申し込み方法自体は実に簡単です。ネットで全てできるからです。手元に運行許可証(Licenciamento)(日本の車検証みたいなもの)を用意してControlARのサイトに行き、必要条件を入力します。
- サイトでの申し込みが完了すると、この画面が印刷できる状態になります。これは要するに支払い書で、これをの銀行の ネットバンキングで支払っても良いし、銀行窓口に持っていって支払うことにより次のステップに進めます。ちなみに費用は日本円で3000円ほど。
- ブラジルは、日本よりもネットと銀行・支払いの関係が数段進んでいるので、銀行だけでなく、街中の宝くじ売り場Casa Loterica でもこういった支払いができます。
さて、実際の支払いが済み、しばらくすると「支払いが完了しました」「具体的な検査の日付と場所を指定してください」メールがきます。- そこで、そのメールにあるURLを使って次の段階に進むと、実際の検査日時と場所が指定できますのでそれで完了。全ての登録が終わると最終確認メールが送られてきます。(この用紙です)
- 何の目的で、何を行うのか、どの頻度で、どうするのか・・・ということが色々書いてあります。・・でも言語が苦手な自分は、全部を丁寧に読む元気がなく、ザザッと斜め読みし、重要な所だけを確認。(ついでながら、ブラジルの免許を取得するとき「自分はポルトガル語を自由に読めます、書けます」という宣言・署名をしてしまっているので(もちろんウソだけど)、ブラジルの車関係の書類に英語などの多言語サポートは一切ありません。ここらへんの事情は「実は日本語でも運転免許の試験ができる」というアメリカなどとは大きく違います。まぁ、日本語ONLYの日本も同じと言えば同じですね) 上部には予約の日時、場所、車の車種、ナンバー、色が書かれています。とにかく、あとは当時この紙だけを持って試験場に行けばいいようです。
さて検査当日。仕事から近い試験場を選んだので、仕事帰りに寄ってみました。写真のゲートのところには受付嬢がおり、例の紙を出そうとしたところ「・・・えっと・・4番のゲートに進んでね」と、何の書類も確認せず、いきなり進む番号だけを指示されました。予約確認・受付の業務はしていませんでしたが、来場者(車)を分配する仕事はきちんとしていました。
- 順番待ち中です。検査の所要時間は5分~10分程度とのことで、意外とどんどん進んで行きました。
別の試験会場です。
実際の検査の様子です。この車検は「排気ガスの濃度」だけを調べるものですので、タイヤやブレーキに不具合があっても関係ありません。
- 後日、地元の新聞(Folha De Sao Paulo紙)を見ていたら「サンパウロで登録されている自動車の34.9%が、排ガス検査を受けていないことが判明した」とありました。なんでも「2012年、サンパウロ市で実動する全車両(470万台)のうち、検査に出頭した車両は306万台、合格した車両は297万台。全車両の3.8%に当たる11万6412台が検査を通過できず、うち14・8%が大型車だった」そうです。
友人の車が車検を受けているところです。
ブラジルの名車。VWのKOMBI(コンビ)。日本で言うVolkswagen Type 2 の流れをくむ ワーゲンバスです。
- 既に世界ではクラッシックカ―の域に入りそうな車種ですが、ここブラジルではこの時まで「この新車を生産・販売」していました。
- 「ここの検査員は色々な車のボンネットを見ることができて楽しいだろうな」、と思うのは自分だけ?
ちなみにこの検査場、写真撮影禁止、と聞いたのは大部後になってからの事。普通にパシャパシャ撮っていたけど何も言われなかったです・・。この適当さもやはりブラジル・・・。
・・・というわけで、ようやく自分の検査の番がきました。検査と言っても書類手続きは全てwebで済んでいるので、係員のお兄さんに挨拶をし、書類を渡してエンジンをかけたままで降りれば、あとは全てやってくれます。
- ブラジルといえども検査機器は先進国並み。
- 検査の間、依頼者はこの場所で待ちます。隣り合わせになった人と雑談でもしていればすぐに終了になります。
- 前方にあるディスプレイ。検査結果が出るのかと思えば当局の宣伝でした。割とどうでもよいことが延々流されていました。
- 検査は5分ほど。CO(一酸化炭素)や CnHm(炭化水素)が測定の中心のようです。問題が無ければ、係のお兄さんから「結果は・・・こうだったよ。自宅に結果を送るから、それを必ず車に入れておいてね」といった説明の後、OKシールをペたっと貼られて以上終了です
- 1週間後、結果が送られてきました。わずかこんなものですが、もし不所持ですと良くて「車没収」、最悪「逮捕」です。