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アルゼンチンの北西部にあるイスキグアラスト/タランパヤ自然公園群は、1930年頃から古生物の研究が始まり、1941年には地質調査をした際に、70種類もの植物の化石が発見された場所だと言われています。この地域には三畳紀の陸上の堆積物が多く、地層の表面にも露出しています。なかには、最初期の恐竜やその時代の爬虫類の化石も数多く発見されているとのこと。
筆者の主観的評価 | ||
オススメ度 | どこまでも続く地平線。赤い大地がむき出しの荒涼な土地。そんな南米大陸を実感できる場所がここ。太古の昔、恐竜が闊歩していた痕跡は確かにすごいのですが、この今でさえ、何か未知の生物がすんでいそうな”雄大な大地”を感じるには最適なところです。 |
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訪問のしやすさ | 星ゼロにしてしまいましたが、正直言って、日本からの通常の旅行者が個人で訪れるには訪問が大変難しい場所です。もし旅行会社のツアーがあればそれに参加するのが無難だと思います。都会から離れている、宿がないなど、物理的な困難に加えて、クルマの運転やスペイン語を強要する訪問先だと思います。 |
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旅行環境整備 | 近くにホテルはありません。というよりも宿がある一番近い街まで50kmはあるので宿泊する場所を探すだけでも一苦労です。また、2つの国立公園は約100km程離れているのですが、公共交通機関は皆無です。というか国立公園内も、自家用車で動くことが前提になっているので国立公園についたとしても、車がないと見学はかなり厳しい、と思われます。 |
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総合評価 | 訪問までの難易度が高い場所ですし、公園に行ったとしてもその場所に恐竜の骨がごろごろ確認できるわけではありません。しかし、2億年以上前の中生代初期の恐竜化石が出土した場所として、学術的には非常に意義深い場所です。また、旅人として、アルゼンチンの雄大な自然を感じられる場所として、ここまでの道のりは大いに気に入りました。南米各国を見ている自分ですが、南米のなかでもアルゼンチンは「地平線の果てまで地面が続いている感」「超広大な大陸が広がっている感」は格別です。ブエノスアイレスのような大都会とは全く違う雰囲気の世界感を感じました。もし、条件が整えば、是非訪れてみることをお勧めします。 |
訪問方法 | 「恐竜の化石の発掘場所」といえば、日本でも福井県のように重要な観光コンテンツになる内容ですよね。しかもそれが中生代の初期、恐竜研究にも重要な意味のある場所、となれば学術的にも価値が高く、個人的にも是非行ってみたい場所でした。
しかし・・・。ここの情報はあまりにも少なく、情報収集には大変苦労しました。でも、とにかく2つの広大な国立公園を目指せば良いだけですので、コトは単純明快です。 |
車が必須なわけ |
私的な感想ですが、ここの訪問には車が必要だと感じました。それもできたら自分で運転するレンタカーが必要です。もしかするとバスが通っている可能性もありますが、とにかく人口密度が低い地域ですので、かなりの時間的余裕を見ないと遺跡近くの町へ着くことすら難しいと感じます。幹線道路から公園入り口へ行くだけでも距離があり、よほどのつわものでないと徒歩はきついでしょう。というわけで、ここを訪れる最善の方法はレンタカーを借りるしかないと思います。しかも、もうひとつ、重要な点ですが、国立公園内を回るツアーは、基本として「各自が運転する車を連ねて移動する」ことが前提になっています。つまり、公園内を回るバスがなく、原則として、各自の運転する車で公園内ツアーに出かけます。具体的にはチケットオフィスで人数分のチケットを買うと、「じゃぁ、○時○分までに、入口で待っていて」「入口は駐車場の向こう側よ」と言われます。予定時刻にその付近まで行ってみますと、他の参加者が自分の車で入口らしきゲートで待っているではありませんか。その後は、ガイドらしきお姉さんが現れ、ひょいと先頭の車に同乗し、アトラクションポイントの度に車列を止めて、解説をし、進んでいくという方法で見学をしていきました。確かにチケットオフィス周辺を見回しても、客を乗せるバスらしきものは全くなかったし、こんなところを訪れる客が自家用車以外で来ることは考えられず、効率的な方法ではあると思うものの、旅人には、ハードルが高いなぁと感じました。 |
車を借りるときの注意点 |
アルゼンチンでレンタカーを借りる場合の問題点が2つあります。1つ目として、南米のレンタカーは、ヨーロッパや北米のそれとはかなり違うということ。具体的には「レンタカー屋の絶対数が少ない」「高額な預かり金を要求される場合がある」など借り出す場合の条件が、他地域に比べて特殊です。結果的に借りられない、という場合もありますので、可能であれば、事前にしっかり確認したほうがいいと思います。そしてもう一つが、「アルゼンチンの幹線道路には警察の検問がかなりの頻度であり、検閲が行われる」ということです。もちろん善良な市民の休暇旅行に警察が文句をいうはずはないのですが、とにかくアルゼンチンと言う国は幹線道路にしっかりとした検問所があります。時間帯や場所にもよりますが、かなりの頻度で停止させられ、いろいろな質問をされます。当然ながらスペイン語ですし、ドギマギしてしまうこと間違いなしです・・・・。 |
レンタカー情報 | |
ちなみに自分のプランは | 普通の方は、やはりアルゼンチンをベースにした旅行会社を利用するのがベターだと思います。移動距離がとてつもなく長いですし、宿泊場所も限られているので、個人で動くのはなかなかきついです。 自分もプランを立てるとき、いろいろ悩んだのですが、最終的には、google map&earthを活用し、宿のありそうな場所を探したり、道路状況を確認して、「自分で運転しても行けそうだな」と判断し、結果的にいつものように宿と、レンタカーの予約だけしてコルドバに向かいました。以下、自分のプランです。参考になるかわかりませんが、紹介します。 コルドバ発着4日間の行程です。 【1日目】コルドバについてからすぐレンタカーを借りました。そしてひたすら車で移動。国道38号線、国道150号線、国道510号線を通り、宿泊地である サンスグスチンバジェフェルティル(San Agustín de Valle Fértil)まで行きました(約600km)。 【2日目】宿を出発し、イスキグアラスト国立公園 そして タランパヤ自然公園群を見学。 宿泊は同じ San Agustín de Valle Fértilに。 【3日目】もし、前日にイスキグアラスト/タランパヤ自然公園群が見られなかったらそこを見学。余裕があれば周辺の見どころを見て、コルドバに移動(600km)。夜はコルドバ市内に宿泊。 【4日目】コルドバ市内を見学(ここも世界遺産) とにかく、近くに宿泊する場所がないのがこの場所。自分が宿泊したビラ・フェルティも小さな町ですが、せめてもここに泊まれてよかったと思えるほど、宿がありません。 もちろん「車中泊をする」「泊まらなくてもいい」という方は問題ないと思います。自分の場合は小さな子連れでしたので、車中泊は無理でした・・・。 |
宿はここに取りました
子連れですので、宿の予約は必須の私です。例によって、ネット上でさまざまな宿泊サイトを一生懸命探したのですが、ホテルのある町自体がなかなか見つかりませんでした。それでもbooking.comで、このSan Agustín de Valle Fértilに宿を見つけました。なお、予約サイトでは数件しか出てきませんでしたが、実際にはその倍ほど、宿泊施設がありそうな町でしたので、かりにネットで予約できなかったとしても、実際に行けばどこかには泊まれると思います。