1597年に建設が始まり、スペインに向けての重要な銀の積み出し港だったポルトベーロ(porto belo)。スペイン艦隊の寄港地でもあり、イギリス艦隊とも戦った場所でもあることから、かつて重要な役割を果たしていた場所です。ただし、今はまったくのさびれた場所。かつての栄光には程遠い状態になっています。

正直言って、ここを個人旅行で訪れるにはそれなりに時間と覚悟が必要だと思います。ただ、小さなパナマのこと。絶対的な距離は長くないので気合と勇気とコミュニケーション力(スペイン語力?)があれば、なんとかなるレベルです。近くの一番大きな都市はコロン(colon)。そこから海沿いにローカルバスを乗り継いでいく必要があります。コロンからはわずか49kmですが、集落がほとんどない海沿いを行きますのでそれなりに時間もかかります。

保存状態が悪く、危機遺産に指定されているくらい、地元でも関心の薄い遺跡です。遺跡への出入りの自由ですし(もちろん無料。というか料金を取る仕組み・施設がない)、わずかながらの説明の看板があるのみ。ここを訪れるパナマ人もほとんどいなさそうですし、外国人が訪れるには、よほど気合いが入った人のみ、という感じです。ただし、数件の食堂や、途中にも宿らしいものもありますので、中南米の旅が慣れている方はなんとかなりそうです。

かつてここが銀の積み出し港だということが信じられないくらい、小さな、さびれた集落です。ポルトベーロは現在人口5000人とのことですが「そんなにどこに住んでいるんだ？」と思えるほど、さびれています。行ってみると、ホテル、というか宿泊できそうな店が一軒ありましたし、レストラン、というよりなにか食べ物を出してくれそうな家が数軒ありましたので、行けばなんとかなる気がしますが・・・。

パナマの首都パナマシティは太平洋岸にある都市ですが、ここポルトベーロは反対の大西洋側の村です。距離にしてわずか100ｋｍ程度だと思います。船で行くと、南米を一周して回るか、パナマ運河をとおっていくかですが、一般的な現代人はバスを使っていきます。まず大西洋側の街、コロンを目指します。コロンからは49ｋｍありますので、ローカルバスを使ってポルトベーロの村を目指します。しかしそう言っても、パナマのローカルバスの利用はなかなか難易度が高く、中南米経験が豊富だったり、やスペイン語会話が大丈夫な方でないと厳しいかもしれません。少なくとも「英語でOK」っていう世界ではない気がします。