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ゼレナー・ホラのネポムークの聖ヨハネ巡礼教会
Pilgrimage Church of St John of Nepomuk at Zelená Hora

 
チェコ語で「緑の山」を意味するゼレナー・ホラは、ボヘミアを代表する巡礼地です。 ここにはこんな逸話が残されています。
「かつて、ボヘミア王ヴェンツェル4世が王妃の懺悔内容を知りたいと思い、司教代理のヤン・ネポムツキーを問いつめました。しかし、いかなる拷問にも口を割らなかったため、彼は袋詰めにされてプラハのカレル橋からヴァルヴァタ川に投げ込まれてしまいました、その魂が天に昇ると5つの星が生まれ、川の上空に浮かんだといいます。また、1719年に聖ビート大聖堂にあった彼の墓をあけると、完全に白骨化していましたが、舌だけは原型をとどめていたといいます。これらの奇跡から彼は聖人となり、祭られている」 ・・・との話です。

 

 

ゼレナー・ホラのネポムークの聖ヨハネ巡礼教会
Pilgrimage Church of St John of Nepomuk at Zelená Hora
この聖堂自体は、これだけのものです。でも500年以上の歴史があるだけあって、この聖堂の周りは立派な墓地がありました。
写真は回廊と墓地です。礼拝堂と回廊の間にはずらりと墓石が並んでいました。自分が訪れたとき、建物はかなり適当な感じの工事中でした。墓地はそれとは対照的に花が植えられ、とても美しく飾られていました。
礼拝堂か一つあり、その回りを少しの墓地と小さな回廊があるだけの小さな教会なので、礼拝堂内部を見なければ、ものの3分で一周してしまいました。しかも世界遺産サイトに指定されているにもかかわらず全体的に荒れ果てている印象をもちました。ここまでは無料ですが、礼拝堂内部は有料で見せてくれるとのこと。ここには写真のような門が3カ所あり、どこも開いていて、自由に出入りできる感じでした。
聖ネポムツキー巡礼聖堂(kostel sv. Jana Nepomuckeho)と呼ばれるこの建物がこの世界遺産サイトの中心であり、全てです。ネオ・コジックと称されるゴシック・リバイバル様式と、バロック様式を折衷して作られたこの大聖堂は「五角形の建物」「三角形の窓」「五角形の星」「3つの入り口」という様に「5」と「3」を基調に作られています。これは、ここに祀られている聖人ネポムツキーが殉教した53歳にちなんで、これが作られているから、とのことでした。
これがおそらく正面。入り口にお知らせの紙が貼ってあり、ドアも使っている雰囲気がしました。この建物を設計したのは画家で建築家のヤン・ブラジェフ・サンティーニという人だそうです。
120度回った別の入り口。鍵がしっかりかけられていました。もう120度回った場所も、一見同じ写真に見えるが、よく見ると詳細がことなります。おそらく、ここが内部で言うと一番奥、つまり主祭壇の位置になります。ここには5人の天使と3人の小天使が飾られているとのこと。
自分が訪れた2001年。日本で手に入る資料も現地ではいる情報も非常に少ないサイトのため、ここを訪れるのはかなり大変と思っていました。地球の歩き方を見ると、「ブルノからプラハ行き列車でズシャーナル・ナト・サーハヴォウ下車一日7本。所要1時間程度、バスならブルノから1日4~5本。所要一時間50分」とだけあり、「これで行けたらすごいよな・・・」と思いながら車を走らせていたら、ななんと看板が出ていてびっくり。チェコ第二の大都市ブルノからプラハへ向かって、20キロほどの地点です。しかも、教会自体はとてもこじんまりしていて、訪れるものは自分以外はいませんでした、地元の人はみんな知っていて、「ホレそこだよ」と教えてくれました。結局自分も詳細な地図も、細かい情報もわかりませんでしたが、要するに「町の人に聞きながら」「看板を目安にすれば」着く、ということは確かです。写真は道沿いにあったゼレナーホラの看板
木に隠れているのも多いので注意。駐車場マークもついていましたが、5台程度しか停められられませんでした・・・。
世に世界遺産なるものは多数ありますが、正直言ってここも「アレ?」というタイプの世界遺産でした。とてもこぢんまりとした、簡単に言うととても小さな教会だけが閑散として建っているのみ、に感じました。1784年に起こった火災で大部分が焼けた、といいますが、その後他の部分を復旧させた感じもしませんでした。14世紀の大切な巡礼地であることは分かりますが、日本の鎌倉の寺(例えば長谷寺)あたりを世界遺産に指定しているのと同様だと感じました。
回廊屋根の寓意像です。このユニークな大聖堂の全てを否定するわけではありませんが少なくとも時間とお金のない外国人にあまりお勧めはできかねるサイトでした。
礼拝堂のドアに貼ってあった案内。チェコ語、スロバキア語、英語で書いてある。 これによると月曜を除く毎日9時から17時、有料で礼拝堂内部を見せるとある。大人50Kc,学生30Kc。 入場は16:30まで。 ただし、この日は開館日であるにもかかわらず開いていませんでした。よって、細々と工事をしているおじさん(.2人)に聞いてみたが、「しらん」と言われて以上終了・・・。 うーん。せっかく来たのにぃ。
回廊です。創建当時から残っているものの一つといわれ、ネオ・コジック様式とバロック様式が混在する不思議な空間とのこと。 内部は、よく言えば当時のまま現状が残っており、悪く言えば荒れ放題になっています。一部工事も行われているが、素人目に見ても、「いつになるやら」という印象を持ちました。

 

ここは車を借りて訪れました。詳しくはここ。
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