トップ > 南北アメリカの世界遺産 > ボリビアの世界遺産 > ティワナク
筆者の主観的評価 | ||
オススメ度 | 標高4000mの平原に存在した優れた文明の痕跡が残っています。 |
|
訪問のしやすさ | 首都ラパスから60km。ラパスとペルーのチチカカ湖を結ぶ街道沿いの村に遺跡はありますが、公共交通機関はなく、小さな乗り合いバスを乗り継いでいくか、自力で車をチャーターする必要あり。 |
|
旅行環境整備 | 遺跡前には博物館もありますが、そこにいくまでの足がなさすぎ。 |
|
総合評価 | 残念ながら30年ほど前まで放置されていて荒れ放題の遺跡でした。大きな建造物も少なく、破壊が進んでいます。 |
概 要 | ボリビア、チチカカ湖の南東の湖畔そばにあるティワナクは、インカ帝国の先駆者の遺跡の中で最も重要なもののと言われています。紀元前300年から紀元300年まで存続したティワナクは文化と宇宙の中心であり、多くの人々が礼拝に訪れた場所です。その共同体は7世紀から9世紀の間に都市レベルの人口に達し、南アンデスの要所として成長しました。最盛期には1万5千から3万人の居住者がいたとされていますが、最近の研究ではさらに多かった可能性があると指摘されています。しかし紀元1000年頃、大規模な気候変動によって、帝国における権力の象徴である食糧生産が困難になり、消滅していきました。 |
---|---|
いろいろ調べてみましたが、基本的に公共交通機関はローカルバスのみです。しかも途中で乗り継ぎや検問を通過する必要があり、なかなか度胸が要求されます。仮に遺跡や博物館にたどり着いたとしてもそこから移動するのも一苦労。タクシーなんて便利なものはまず無いと思うべきですし、移動するにしても数十キロはザラですのでなかなかつらい移動になります。「じゃぁオマエはどうやって行ったんだ」となりますが、ラ・パスでいろいろ悩んだ結果、泊っているホテルで相談し、車を一台お願いしました。自分だけなら路線バスで行くところですが、なんといっても2人の子連れ(しかも小さめ)の計4人のわがファミリーですので、4000mの高地を路線バス移動は無理と判断しました。筋金入りのバックパッカーなら、路線バス利用が王道ですが、無理のない旅をしたい方は、ラ・パス市内のホテルや旅行社では、ツアーや自分たちのような車手配もやってくれますので、それを利用するのが一般的ではないかと思います。 |
|
写真ギャラリー1 | |
写真ギャラリー2 | |
大きな地図で見る |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ラ・パスからまっすぐ西に走る国道1号線。100km先はペルーのチチカカ湖。ちなみにペルーに向けて人質誘拐が多い路線なので警察の検問が入ります。ラ・パス-ティワナク間は60kmほどですが2カ所の常設検問所があり、身分証チェックがあります。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ラパス市内から20kmほど走った場所から東の方角を見た様子。丘の上から振り返ると平野が広がりますが、全て4000m以上の場所。後ろにそびえるのは6000m級の山々。まさにアンデス山脈の中腹にいることを感じます。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 国道1号を走って、テイワナク遺跡の入り口近くにあるモニュメント。一つの目印になりますので、バスで来た場合の一つの目印になります。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 「ようこそティワナク遺跡へ」のゲート。国道からすぐ入った場所にあります。ちなみに遺跡はここから1km弱。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ティワナク遺跡の入り口。ラパスからチチカカ湖へ向かっていた鉄道路線の線路沿いです。現在は廃線状態だそうです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ティワナク駅舎ですが、「ツーリストインフォメーション:INFORMACION TURISTICA」と書いてあり、ここが入場券販売所になっています。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 入場券の値段表示は外国人用しか書いてありませんでしたが、大人で80ボリビアーノ(2013年でおよそ80Bs.=12USD)、8歳から12歳の子どもが10ボリビアーノ(10Bs.=1.5USD)。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 遺跡名は[TIWANAKU]とありますが、駅名表示には[TIAJANACO](ティハナコ)とありました。ラパスから66km。標高3870mとあります。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 駅舎全景。空の青さは、この時期(乾期:冬)には当たり前の空らしいのですが、どこまでもどこまでも青く吸い込まれそうな空です。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 駅舎の反対にある博物館。堂々たる展示物があり、遺跡好きにはたまらない内容でした。写真撮影禁止なので内部の写真は撮れませんでしたが、遺跡の成り立ちから最盛期の様子が丁寧に解説してありました。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 博物館前の看板 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 スペースはいくらでもある場所ですが、一応駐車場があります。「左がチケット売り場、右が公園(遺跡)」なんて看板がありますが、他になにも無いので迷う人なんていない気がします・・・。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 こんな遺跡ですが、意外に観光客が来ていました。それも外国からも(自分もそうですが・・・)。これはチリからのバイク集団ご一行。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 このフェンスの向こうが遺跡エリアです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 遺跡エリアに入った場所。管理事務所です。窓の十字型の形がこのティワナクの特徴的な形で、こんな小屋ですがさりげなく意識しています。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 管理事務所にあった注意書。「Queda Terminantemente [prohibido]mascotas.bebidas alcoholicas.comidas de cualquier indole...」 以下の持ち込みを厳しく禁じます。ペット、アルコール類、食べ物・・・。当たり前だなぁ。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 さあいよいよ 遺跡(考古学的エリア)に入ります。 |
|
「【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 遺跡エリアと博物館は9:00から17:30まで空いているけど、チケットの販売は16:00までだよ」との看板 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 とても大切な看板です。この遺跡の全体像を示しています。1 KANTATALLITA, 2 AKAPANA, 3 TEMPLETE, 4 KALASASAYA, 5 PUTUNI, 6 KERIKALA, 7 PUERTA DE LA LUNA |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 上の図を模型で表したもの。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 意外と多くの観光客が来ていました。地元の小学生なども来ていました。遠足でしょうか? |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 2つ上のものと同じです。重要な看板なのでまた載せてしまいました。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 「このテイワナク遺跡はは様々な時代の遺跡が複合しています。また農業、職人、神官など様々な役職が分かれて生活した後もあります。時代区分は以下の4区分です。 @PERIODO ALDEANO EPOCA1-2-1580AC-133.DC APERIODO URBANO TEMPRANO EPOCA 3-133-374.DC BPERIODO CLASICO EPOCA 4 374-900.DC CPERIODO IMPERIAL EPOCA 5 900-1200.DC」という感じかなぁ・・。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 AHAPANA(アカパナ)ピラミッドの図。ちなみにこの遺跡のほとんどが1970年代に復元したものなので、これもオリジナルかどうか不明らしいです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 AHAPANAピラミッドを登るところ。予想では高さ 16 mほど、底辺は200m四方のピラミッドらしいです。本当は7段に分かれているとの事ですが、全然分かりません。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 一部、階段も復元されていました。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ピラミッドの上からKALASASAYA方面を見る。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ピラミッド上部。くぼみがあった場所らしいのですが、更にスペイン人が荒らしまくったとのこと。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 この文明は水の利用が優れていたそうです。右のくぼんだ部分にも水がたまっていたとか。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ピラミッド上部にあった石の列。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 これも水の利用に関係していたとのこと。昼間は陽を遮り、夜は月を利用してその姿を水に映して儀式に使ったらしい・・。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ピラミッドの一部の様子。ここに水をためて、農業や儀式に使ったらしいです。近年の研究でピラミッド内部にも複雑な水路があったらしいとのこと。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 とにかく荒廃していた時期が長かった遺跡なので、オリジナルではないと思いますし、実際にこうだったか不明ですが、それなりの規模をもって施設です。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 これがこの遺跡で良く出てくるシンボルマークの一つだそうです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 カンタタリータ(KANTATALLITA)にあった、この遺跡の全体図の模型と思われる石。階段部分も良くできており、当時の人々が模型を元にこの場所を作り上げたのではないかと感じます。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 カンタタリータ(KANTATALLITA)の全景。ピラミッドの裏側にあたり、いろいろな石がゴロゴロしています。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ティワナクは鉄器を持たない文明だそうです。それがこの見事な直線を生み出す加工技術を持っていたことに畏敬の念を抱きます。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ひもを通したに違いない穴。復元方法は、いろいろ疑問に思うことが多いこの遺跡ですが、こういう小さな痕跡一つ一つに当時の人々の営みを感じます。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 半地下寺院(TEMPLETE SEMISUBTERRANEO)と呼ばれるエリアの入り口。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 半地下式方形広場(Semi-underground square)と書いてある文献もありました。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 壁面には人面の石が多数。門や大きな像は安山岩でできていると感じたのですが、この人面石は砂の堆積物の砂岩でできていました。しかも比較的もろい砂岩です。程度や条件にもよりますが、火山噴出物の安山岩のほうが砂岩よりも安定していて風化にも強いことが多いので、ティワナク人がなぜこの石を使用したのか疑問に感じました。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 顔の形がはっきりしているものもあれば、かなり風化したものも。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 人面の石にくらべ壁面の立派さが、無理な復元を感じます。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 入り口付近の顔ははっきりしていて遠くなるほどぼやけた石が多いと感じたのは気のせいでしょうか?まさか、復元する際、しっかりした顔を最初に配置して??なんてことを感じてしまう場所です。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 壁面の石の新旧が気になります。こういうものとして見ればいいのかもしれませんが・・・。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 かなり風化している人面の石 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 ほとんど顔の姿をしていない石も6割あります。 |
|
半【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 地下寺院の中心には石像が2つあります。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 時期も意味も、そして本来の配置も不明とのこと。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 安山岩でできています。丁寧に掘られていますが、風化も進んでいます。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 半地下寺院の壁面。人面石の風化と壁面の整然さが気になってしまうワタシ・・・。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 巨大な構造物、カラカサヤの入り口。大きな門がありますが、これも無理な形での復元らしいです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 最新の研究では、この入り口の外側に、この壁に平行してもう一つ壁があったらしい、とのこと。・・・・うーーん。それって現状とすごく違った姿になるんじゃないかなーー。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 いろいろ考えるとつらくなりますので、現状の遺跡を見てそれを感じて行きましょう・・という気分になりました。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 カラカサヤは120m四方くらいの巨大な構造物。壁面の復元はかなり怪しいのですが、この位置にこれに近いものがあったことが確かとのこと。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 1970年代の発掘ではいろいろな石像が発掘されたのこと。これもその一つ。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 非常に有名な像ですが、実際の所、詳しいことはなにも分かっていないそうです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 正面からの姿。いろいろな民族の特徴を持っているそうです。1960年代の発掘で出土した像の一つ。設置場所もオリジナルではないそうな。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 像の背面にはよく見ると髪の毛の表現が。もしかすると巻き毛?つまりアフリカ系などの可能性もあるとのこと。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 像のそばにあった解説版。「1965年5月6日 国立テイワナク考古学科学チームによって発掘された像」という感じでしょうか? |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 これも近くにあった像。細かな表眼がいろいろ違います。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 クモでしょうか?。諸説あるそうです。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 上記の像を横から。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 「太陽の門」のレリーフの拡大。四角い模様が4列×7行あるものが左右に2カ所あり、カレンダーの役目ではないか、との話を聞きました。この太陽の門はテイワナクは勿論、ボリビアをも代表するモニュメントで、ボリビアのパスポートの表紙にも描かれています。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 太陽の門の後ろ。こんな立派なものですが、これもオリジナルの位置かどうか全く不明で、例の、あまりにも長期間の放棄による荒廃と誤った復元のため本来の場所・本来の目的は全く不明とのこと。 |
|
【ティワナク Tiwanaku: Spiritual and Political Centre】 カラカサヤ(KALASASAYA)の背面。立派な石組みがありますが、例によって当時こうなっていたのか不明だそうです。 |