トップ >アフリカ・オセアニアの世界遺産 > チュニジアの世界遺産 > エル・ジェムの円形闘技場
カルタゴを制したローマは、国内に数々のローマならではの建物を残しました。この円形闘技場もその一つでチュニジア国内だけでも25のの闘技場が残されていますが、中でも最大規模のものがここエルジェムのものです。ローマ、ヴェローナに続く世界第三位の大きさを誇るという堂々たる闘技場です。アリーナの床部分が崩壊したり、そもそも石材に切り出されてしまったローマのものとは違って、ここはかなり保存状態が良いです。ここは230年、ローマ帝国のゴルディアン皇帝により建設されたコロセウム(L'Amphitheater)です。外周は3談の美しいアーチ型の壁で囲まれ、縦149m横124m、高さ36m、アリーナの直径65m、収容人数3万5000人。他の都市の闘技場に比べ、ここのものは完全な平地にたてられている点も特筆すべき事です。一つ一つの石組みは現在でもしっかりしており、当時の建築技術の高さ、設計者のセンスを強く感じることがでます。アリーナでは剣士の戦い、奴隷と猛獣の戦い、罪人と猛獣の戦いなど、残忍な催しが演じられたといいます。とにかく、現在でこそ砂漠の中の小さな街エルジェムだが、1800年前は緑生い茂る豊かな土地だったとのこと。往時の面影を、今は巨大な建物だけがひっそりと伝えています。