ブリッゲン
Bryggen
ノルウェー第二の都市、ベルゲン。北海沿いの街だがフィヨルドの作った美しい湾、ヴォーゲン湾に面していて、とても静かな入り江に広がる美しい街です。この街の一角に、東西交易で栄えたドイツ人居留地があります。それがブリッゲン地区です。まるでドイツの街並みを思わせる木造の建物が建ち並ぶこの地区は、12世紀以来ドイツ人が交易の中心として過ごしてきた場所です。ハンザ同盟に加盟したのは1350年。港の周りが7つの丘に囲まれているにもかかわらず港への船の出入りはとてもしやすく交易上も、防衛上も大変有利な土地ということで、ここベルゲンは繁栄を極めました。一時はハンザ同盟の4大地域の一つと呼ばれたほどでした。ハンザ商人達の多くは単身赴任で、その建物は効率第一に建てられたものですが、その愛らしい木造建物群が世界遺産として指定されています。14世紀には、力を持っているハンザ商人に対し、ノルウェー政府は不平等な通商条約を締結せざるを得ず、その対抗措置として、ドイツ人とノルウェー人を隔離する政策がとられるようになりました。そしてその居留地のドイツ人は特権を得て、その後200年は交易で莫大な富を得ました。しかし、それも徐々に衰退し、最終的には1754年、これらのドイツ商館もノルウェー政府に引き渡され、現在に至っています。