アルタの岩絵
Rock Drawings of Alta
ノルウェーの北極圏にある小さな町アルタ。ヨーロッパ大陸の最北端も近いその街に、6000年前の岩絵が発見されたのは1973年のことです。一見、ただの子どもの落書きのようにも見えますが、北極圏のこの地に、6000年以上も前に人類がいたこと、そしてその人々の生活が分かる絵が残されていたことは、驚異に値します。絵をよく見てみると、花崗岩に輪郭を彫り込んでその上に顔料が乗っていることが分かります。そかもその内容が凄い。トナカイなどの野生動物はもちろん、漁をする人々、そして祈りをする人々までが描かれています。生き生きとしたその表情からは遊興の時間を過ぎ去っても尚、躍動的な北欧の先史時代の人々の息づかいが伝わってくる気がします。