ブダペスト、ドナウ河岸とブダ城地区
Budapest, the Banks of the Danube and the Buda Castle Quarter
東ヨーロッパの中部に位置するハンガリーは大昔から様々な民族の侵入を受けてきました。紀元前4〜5世紀にはケルト人が、紀元前後にはドナウ川右岸にローマ帝国が左岸に西ゴート族やヴァンダル族が住み着きました。5世紀以後は、フン族、アヴァール族、フランク族、スラブ族が次々と侵略を重ねました。幸い完全に長期に渡って支配する民族は出てこなかったのですが、これだけ多数の民族がここを侵略したのは、ドナウ川や温暖な気候と、どこからもアクセスしやすいという地の利があったためと考えられます。現在のハンガリー人(マジャール人)は896年に黒海の北ヴォルガ川流域からやってきたとされます。この7部族からなる遊牧民族は先住のスラブ文化を吸収しながら国内を統一。1000年にはローマ教皇よりハンガリー王国の成立を認められました。ここブダペストは900年頃、南北ヨーロッパの貿易の中継基地として建設され、以後も様々な勢力に翻弄されながらも、ハンガリーの中心として歩み続けてきた街です。