この宗廟(ソンミョ)は、朝鮮王朝、歴代王朝の霊廟です。1392年、高麗王朝の無精だった李成桂(りせいけい)は高麗王朝を廃し、新たに朝鮮王朝をたてました。この時、首都を漢陽(いまのソウル市。翌年、漢城に変更)に遷都しました。朝鮮王朝の太祖となった彼は、国境としていままでの仏教を廃止し、儒教を体系化した朱子学を定めました。この時、中国の伝統にならってまちづくりをしたため、西に国家の安泰と五穀豊穣を祈る社稜壇、東に祖先を祀る宋廟を配した、というわけです。実際に行ってみると、 陸橋を挟んで、昌慶宮と隣り合わせになっていて、まさに朝鮮王朝の文化を今に伝える建物になっています。大都会ソウルの中にあって、周りの雑踏を忘れるほどの静けさを保っていますが、実際、敷地・建物の面積共に、あまり広くはなく、そっと静かに歩いてもその全体像がすぐつかめる場所です。