スリランカ鉄道博物館 

National railway museum, Kadugannawa

 

 

 


  • 堂々とした正面の看板。

    博物館の建物全景。貨物駅の貨物倉庫をそのまま転用したそうです。

    国道沿いにあるので、道路からもはっきりと博物館ということが分かります。

    駐車場(無料)も完備

    駅の敷地で便利な場所なので、きっとこうやって書いておかないと、無断で留める人がいるのかもしれません。

    「写真を撮ることは禁止です」のシンハラ語と英語の看板。有料施設であることを強調し、「タダで写真を撮ることは許さないぞ」という強い姿勢を感じます。英語でも書いてあることから、特に外国人客に向けての警告でもあります。と言うのは・・・

    外国人の入場料はLRK500。これはスリランカの物価とすればかなりの金額で、外国人の旅人のブログを見ていたら「高すぎる」「ボッタクリ」と書かれていました。確かにスリランカ人はその1/10、LKR50.00ですし、子どもはLKR20.00ですので、大人は10倍、子どもは25倍ですので、恐ろしいものです。ただし日本円に直すと、外国人は\315。スリランカ人大人は\32円。子どもは\1.3ですので、そのくらいは払うべきかと感じます。ちなみに上の写真の右側にはシンハラ語で、開場9時、閉場4時と書かれてい(ると思い)ます。

    駅のホームから見た博物館の主たる建物。博物館はカドゥンガワワ Kadugannawa駅に直結。というよりも駅の貨物倉庫を利用しているので、駅の付随施設のようです。

    博物館のホームから見た展示車両。単に泊まっているように見えますが展示物です。

    こんな感じで展示物が所せましと並んでいます。

    駅のホーム側かわ見るとこんな感じ

    カドゥンガワワ駅の現役ホームです。

    博物館から見た駅

    【展示車両の紹介】「S7 SBD 8306」

    それでは展示車両について紹介しましょう

    まずは建物の隣のディーゼル客車、S7型から。

    車内は、きれいに改装されています

    運転台もきちんと整備されています。よく見ると左側のマスターコントローラー機器は日立のマークが。

    そうなのです。おそらくですがこの車両の機器は日立製。

    木造ボディは別物かもしれないのですが、S7系の機関車は日立製なので、これもその系列だと思われます。

    堂々たる姿。博物館内にゆったり座れるスペースは他になかったのでもしかすると「博物館の食堂・シアター」的存在なのかもしれません。

    密着自動連結器が付いているのに、前面に大きな緩衝器がついている不思議・・。でも他もみんなそうですが。

    番号からすると機関車ではないのですが、もしかすると機関車は別にあり、これはプッシュープル方式のコントローラー付き客車かも?と感じます。解説が一切なかったので詳細は不明ですが。

    【M1 ディーゼル機関車】

    引き込み線路上に保管されているディーゼル機関車、M1型です。

    形式:M1 560 .動力方式: Disel Electric
    製造:Bruss Bagnall.co. England

    形式名:Model Mirrless JVS12

    導入年:1995(1953-1956)

    最高出力:1000BHP/850RPM
    乾燥重量:89t.最高速度88km/h

    引退:1980-1984  (解説版より)


    車両本体の製造はイギリスのブラッシュバニャール社 Brush Bagnall で、エンジンはマーレース社 Mirrlees (のちにBlackstone & Co社に) のJVS12型(1000馬力)を搭載。最高速度は88km/h. 乾燥重量は88t.全長は50フィート9インチ(15.26m)。車軸配置は A1A-A1A。この機関車はスリランカへ25両導入されました。導入は1953年~1956年まで。廃止時期は1980年~1984年。スリランカの機関車には通し番号が付けられますが、このM1機関車にはNo.539~No.563までが割り振られたそうです。

    http://railpagesrilanka.blogspot.com/p/rolling-stock.html

    電気式ディーゼル機関車らしいサイドビュー。

    ・・・訪問時、豪雨だったため、まともな写真が少なくてすみません・・。

    ちなみにどうでもいいことですが、上記説明板のEnglandのスペルが間違っていた気がしますが、きっと気のせいです。

    【Class N2 ディーゼル機関車】

    次はなんと我らが日本製、N2ディーゼル機関車

    車両製作会社:川崎重工(日本)

    エンジン製作:ゼネラルモータースGeneral Motors(アメリカ.デトロイト)
    エンジン形式: V16 71N 7163 700C
    最高速度 : 48 Km/h
    乾燥重量 : 38 ton
    全長: 36フィート 7インチ(11.14m)
    車軸配置: B-B
    導入年 : 1973年
    廃止年 : 1997年~2001年 ( 731号を除く)
    車体通し番号 : 730番~732番
    導入両数:3両

    N型のNとは、Narrow つまり狭軌タイプを表しています。

    3両しか輸入されなかったんですね。

    1973年、昭和48年製

    日本で言うならば同時期には、DD16型ディーゼル機関車が川崎重工・国鉄長野工場などで1971年から1975年に製造されています。

    こんな場所まで立ち入って見学できます。

    運転台の様子。

    日本製らしさを感じる運転台。

    整備しやすそうな車内。

    【S3ディーゼルカー(動力客車)】

    M1機関車と同じ、引き込み線においてあるS3ディーゼルカーを紹介します。

    形式: S3
    導入年 : 1959年~1960年
    引退年 : 1997年~2012年
    導入車両数: 25両
    車両通し番号 :No.596~No.620
    車両製作会社 : MAN社(ドイツ)
    エンジン製作および形式 : MAN社 - V12 L12V18/21
    最高出力 : 880 馬力/ 1500rpm
    最高速度 : 80 Km/h
    変速方式: 液体式ディーゼル
    全長 : 58フィート 9インチ()
    重量 : 47 ton
    車軸配置: B-B
    ブレーキシステム: 真空方式
    用途:近郊、通勤列車
    U.N. Aid.(国連援助)からの寄贈。 612号は1975年にバトワッタ Batuwattha で事故廃車。

    背面には感通ドアがありません。日本人にとっては新鮮に感じます。

    正面からの様子

    解説版もありました。

    800馬力のエンジン部分.壁面にChief mechanical engineer's sub department Ratmalana とあります。Ratmalana ラスマラーナ(コロンボ近郊の海岸近くの地区)にある鉄道機器の保守・整備をする整備局所属を表しています。(上手な訳が見つからないのでとりあえず「鉄道整備局」と称します)

    運転台も入れますし、座ることもできます。

    V型12気筒の堂々たるエンジン。これを作ったMAN(Maschinenfabrik Augsburg-Nürnberg)社はフォルクスワーゲンの関連企業。

    現在は鉄道部門を廃止し、カナダのボンバルディアBombardierに吸収されてしまっています。

    【FT4169 炉油タンク貨車】

    この車両も上のNo613と同じRatmalana ラスマラーナ(コロンボ近郊の海岸近くの地区)にある鉄道整備局所属

    変わった形のタンク車です。1933.2.22に使用開始され、廃車は 1989.2.24でした。

    購入金額:Rs8994.00 容量は 1800ガロン

    【E1型 蒸気機関車】

    E1型 93番蒸気機関車です。

    製造年は1898年。使用開始日は1898年5月10日。日本は明治31年ですね。スリランカ国内に現存する最古の機関車だそうです。

    車軸配置は、もともと後部の従輪はない0-6-0Tだったのが、0-6-2Tに改造されたとのこと。

    E1 93 蒸気機関車
    形式:X-10 製造年:1898年
    製造会社:Noth British Loco co.
    出力:1000馬力/850rpm. ボイラー圧160lbs/inch
    使用開始日1898.5.10  重量35トン

    ・・・またまたどうでもいいことですが、製造会社のスペルが違っていて正しくは「North British Locomotive Company」だと思います・・・

    このE1型機関車は15両導入され、通し番号はNo.23~24, 93~94, 101, 162, 179–183,
    197~200となっています。

    給炭口レバーの様子

    運転台の様子

    15両あるのですが、製造会社は3社あって、Dübs & Co. で3両、North British Loco. Co.で5両、 Hunslet Engine Co. で7両だそうです。

    大切に保管されていることを感じます。

    【G1型 500番 ディーゼル機関車】


    1台しか存在しないというG1型No.500機関車です。車軸配置は0-4-0。1934年製造。

    車体製造はイギリスのArmstrong Whitworth社。

    122馬力のエンジンは Sulzer engine社製。スイスの会社です。

    入れ替え機だったそうな。

    ギアで車軸を駆動するのではなく、ロッドで力を伝えるのですね。

    車内も入れます。

    解説版はなく、「撮影禁止」の文字だけあります

    【S7 SBD 8304 ディーゼルカー】

    S7型というのは、1977年日立製液体変速式ディーゼルカーの系列ですが、機関車ならばNo.757~766までの10両導入されたらしいのですが、これは客車なので、8304番なのでしょうか? (よくわかりません)


    • 形式:S7 SBD 8304
      用途:郊外型ボギー車両(ダミー)
      導入期日:1977年11月21日
    • 購入金額:Rs.6035773.00
    • 68人乗り

    正面は鋼鉄製ですが、側面は木造です。全体的なデザインはS6系とそっくりだそうです。この車両はChief mechanical engineer's sub department Dematagodaとありますので、コロンボ中心部のDematagodaデマタゴタ鉄道整備局所属です。

    【BWTV 4173 木造客車】

    敷地のはずれにあったのは、伝統的な木造客車。形式名は分かりませんが「bwtv 4173」とあります。

    こちらもRatmalana ラスマラーナ鉄道整備局所属。

    内部も見学できます

    台車以下は当然金属製ですが、見たことのないような古風なものです。

    後ろから見た様子

    古い車両ですが、誇りを持って整備されている様子が分かります。

    内部も見てみましょう。廊下を歩いていくと

    木の座席がありました。上部には・・・

    おお、寝台です。つまり寝ることもできる高級コンパートメントです。

    四角い木のイスだけの部屋もありました。

    【馬運搬車 HB 6728】

    特別な貨物車も展示されていました

    HB6728 馬運搬車 Horse Box

    導入 1931年9月8日  廃車2012年9月18日

    購入金額Rs6500.00

    これで馬を運搬したのですね。確かにちょうどいいサイズかも。

    狭いですが、飼育員?が乗り込むスペースもありました。

    【P1型 527 ディーゼル機関車】

    P1と呼ばれるナローゲージのディーゼル機関車

    この P1型は No.527~530まで4両ありました。製造はイギリスの Hunslet Engine Co. 1950年(昭和25年)製造です。

    120馬力のエンジンを装備していました。

    なんだか蒸気機関車に通じるような、不思議な雰囲気の運転台です。

    【屋外展示物】

    車両と車両の間には鉄道に関係したものが展示されています。これはおそらく簡易クレーン。

    動輪ですね。ギアが入っているところを見るとディーゼル機関車のものでしょうか?

    信号機やポイントの展示もあります。

    【博物館の屋内展示物】

    さて、それでは、博物館の建物内部の様子を見てみましょう。最初は・・・

    ガソリンエンジントロリーとのこと。詳しい解説は皆無なので他の情報はありません。

    これがエンジンで動くことも画期的だったのでは?

    博物館内部。鉄道に関係した様々なものがあるます・・・

    ・・・と思いきや、直接関係なさそうな小さな旋盤です。なんでここにあるんだろう?

    初期の液体式消火器だそうな。

    初期の消防車。ただしタイヤは妙に新しい謎です。というかそもそもバイクのタイヤの流用です。

    整備工場で使われていたタイムレコーダー。

    モールス信号の送受信機セット。真ん中に見えるのは検流計です。

    単線区間の列車運行の安全を守るタブレットシステム。かつて日本でも導入されていました。

    ブレーキシューや、平滑軸受けなど。「爆破によって壊された車両のもの」なんてサラって書いてあります。

    日時計、とのこと。いつ使ったんだろう。曇りや雨の日はどうしたんだろう・・・と疑問は尽きず。

    様々な日用品。これらを展示をする必要があるのか感じるのはきっと気のせいです。

    標識類。右の三画は「洪水、注意」。すごいですね、洪水って。増水?てことかな?

    いろいろな看板・標識類。

    奥にあったHOゲージのレイアウト(ジオラマ)。吹きっさらしの建物内で、ケースなしのそのまま展示なので、ほこりやすすがかぶり放題。しかもところどころ壊れています。

    それなりに立派ですがおいてある車両はアメリカのものなど、リアリティは薄く「職員の誰かが趣味で片手間に作ったんだろうな」と思っていましたが、過去のサイトなどを探してビックリ。

    できた当時はもっと豪華で美しく、列車の運転展示もしていたようです。つまり「職員の片手間の工作」ではなく「主役級の正規の展示物」だったようです。

    よくよく見ると三カ国語で、この模型の開設もありました。こんなにしっかり作ったのなら、保管方法も考えればいいのに・・・。

    さて、最後は博物館周辺の屋外の様子を見てみましょう。
    これは博物館のはずれから見たキャンディ方面の様子。

    草の線路はかつての引き込み線。現在の博物館用路線。

    左は博物館展示車両。右が現役ホームです。

    カドガンナワ駅の現役のホーム

    旅情あふれる駅銘版がありました。

    カドガンナワの駅銘版。上からシンハラ語、タミル語、英語の3カ国表記。

    チケット窓口もありました。訪問時は8月だけど「HAPPY NEW YEAR」とでかでかと書いてあるのはきっと気のせいです。

    駅構内に掲げてあった時刻表。黒板一枚で入りきる本数ですが、これでも多い方だと思います。

    駅を一歩外にでると、まさにスリランカの地方都市の雑踏があります。

    街のホームセンターのような店。

    駅の隣は魚屋さんでした。ここは山奥ですし、川面近くになさそうですが、この魚はどこから?

    冷凍、冷蔵施設もないのですが・・・・。

    道路に対して垂直に列車が並んでいるのが斬新です。

    博物館前の風景。スリランカの地方都市のいつもの様子です。

    鉄道博物館、もし近くまで行かれた場合は是非。

スリランカにある鉄道博物館

カドガンナワ 国立鉄道博物館

National railway museum, Kadugannawa

スリランカ鉄道による、スリランカ国内随一の鉄道博物館です。開設は2014年12月27日。スリランカ鉄道発足150周年の記念事業の一環として建設されました。

 

【所在地】

首都圏であるコロンボ近郊にではなく、山岳地帯であるキャンディー地区のカドゥンガワワ Kadugannawaにあります。ここはスリランカ鉄道のメインライン(Main Line)沿いにあります。メインラインは中部の中心都市キャンディKandy方面と首都を結んでおり、いまでも列車本数は多い方です。博物館はこの路線のカドゥンガワワ Kadugannawa 駅 構内に設けられています。また駅前を走る道路は、これまたスリランカの道路では非常に重要な幹線でコロンボとキャンディを結ぶ「A1号線」であり、この場所はその意味からも交通の要所です。日本で言うならば、東海道本線と国道1号沿いの静岡市に博物館がある、というような感じでしょうか?

 

【営業時間・料金】

営業は午前9時から午後4時まで。料金は外国人がLKR500.00(大人も子どもも)。

スリランカ人の大人KR 50.00。こどもLKR20.00。学校団体の場合LKR10.00だそうです。外国人の大人は、スリランカ人の10倍、子どもに至っては25倍払うのですが、実は日本円では、外国人は\315。スリランカ人大人は\32円。子どもは\1.3となります。外国人にとって金額差を聞くと一瞬たじろぎますが、この程度の金額ならば、黙って払うべきだと思います。

 

【アクセス】

ここを訪れる方法は3種類。

①鉄道

コロンボから、メインラインに乗ってここまで来る。一番簡単・確実だが、本数はそれほど多くない。

②バス

スリランカはバス網が発達しています。公営バスと、民営バスがありますが、ここへも来ています。

③その他

自分は、鉄道も大好きですが、車も大好きなので、なんとかして車を借りてここにきてしまいました。(詳しくは「世界をドライブ」を参照)。こんなバカな奴はあまり見かけず、レアなケースかもしれませんが、時間も自由になり、個人的にはかなりオススメです。

 

【建設の歴史的背景】

もともと国立鉄道博物館は、コロンボ・マラディーナ地区の旧コロンボ テルミニュス駅にありました。ここのオープンも2009年と決して古くはないのですが、長らくの内戦中は博物館どころの話ではなかったのでは?と想像します。さて、鉄道開設150周年も近くなったあるとき、運輸大臣クマラ・ウェルガマ(Kumara Welgama)はスリランカの鉄道150周年記念として、本格的な鉄道博物館を建設するプロジェクトを開始しました。当初の建設候補地は3か所ありました。①山岳地帯であるアンベプッサ Ambepussa、②空軍基地があるラトマラーナRatmalana 、③そして①と同じく山岳地帯のカドゥグアンナワKadugannawa。どこもスリランカの交通発展の要所だったそうですが、結果的に③のカドゥグアンナワKadugannawaが選ばれました。そしてこの地に6エーカーの土地が確保され、中国からの資金援助で作られたそうです。

 

【施設概要】

建設当時のweb記事を検索していたら「新しい博物館は、全国から集めた鉄道資料を屋内展示することを目的としています。スリランカ鉄道の始まり以来使用されていた古い、機関車、鉄道車両、トロリーなどはすべて博物館に展示されます。スリランカの鉄道ヤードに保管されていた車両群を展示する予定です。」とのこと。

 

【スリランカの鉄道発祥】

ここスリランカ初の列車は、かつてセイロンと呼ばれていた時代、1864年12月27日にベルギーのブラバント公を、コロンボから70kmほど離れたアンボプサAmbepussa へ運行された列車が初めてだとされています。1864年といえば日本はまだ幕末で、新撰組の池田屋事件や、江戸幕府による長州討伐があった年です。日本の鉄道の正式な開業、つまり新橋-横浜間を営業開始したのは明治5年9月12日(1872年10月14日)とされていますから、日本よりも8年も前にスリランカでは鉄道が開業していたことになります。

 

【ディーゼル列車、機関車の分類】

スリランカ国鉄は非電化なので全てディーゼル機関しかありません。そして、スリランカ国鉄は車両の種類をアルファベットで分類しています。言い換えるとアルファベットを見るだけで、車両の構造が見えてきます。

M:電気式ディーゼル機関車
W:液体式変速ディーゼル機関車
G & Y :入れ替え機
N & P :狭軌の機関車
S :多用途ディーゼルカー

T:ディーゼルカー     とのことです

 

【実際の様子】

開設当時の記事には「施設には、エアコン付きの講堂、お土産屋、レストランもあります。」とありましたが、実際には、お土産? レストラン? 講堂?という感じで、しっかりと存在を確認できませんでした。

イメージを伝えるためにあえて言えば、(大変失礼な言い方をすれば)東京・青梅にある「青梅鉄道公園」を規模を半分にして施設を劣化させたもの・・・、または群馬県松井田町の横川駅構内にある「鉄道文化むら」を規模を1/10にし、経年劣化を加速させた感じ・・・という感じでしょうか?最近日本では、きれいで大規模な鉄道系博物館がたくさんできたので、ついそんなことを考えてしまいますが、インド洋の小さな島で、イギリスの風に吹かれながら独自の文化を築いていったスリランカの鉄道を垣間見る資料とすれば、こんな素晴らしい博物館はありません。

 「途上国あるある」なのですが、(高い)料金を払ったところで、細かな資料やパンフをもらえる訳ではありません。細かな解説を展示してあるわけではありません。それでも、長らくの植民地、そして長い内戦があったスリランカにとって鉄道が果たしてきた役割は大きく、その足跡をたどることはこの国を理解する一歩だと感じます。もしお近くに行きましたら、立ち寄ることを是非お勧めします。