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ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas

 

概要
南アフリカ共和国のケープ半島から東ケープ州西端まで約55万haの広大な地域一帯が植物区となっており、非常に多く固有種や珍しい植物の宝庫となっている地域が指定されています。特に、フィンボス(Fynbos)と呼ばれる背の低い硬い葉の常緑樹の灌木植生地域が指定の中心になっています。
実際に訪れた感想
とにかく「世界有数の美しい道」である、チャップマンズ・ピーク・ドライブ(Chapman's Peak Drive)、そして旅人ならば、必ずや心惹かれる場所である喜望峰(Cape of Good Hope)を訪れることができるここは、超オススメです。しかも大都会であるケープタウンから日帰りでできる位置にありながらも、野生のアシカやペンギンの観察も無理なくでき、見どころも満載です。ぜひぜひ行ってみてください。
ここを訪れるにあたり、レンタカーを借りてみました。詳しくは
レンタカー実践例」南アフリカで
 メルセデスベンツ C200 Avantgardeを借りてみた
のページを見てください。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ほとんどの方がここを訪れる際は、ケープタウンの町を起点にされると思います。というわけでケープタウンの町から、ケープ半島へ向かう実際の道に沿って見ていきましょう。写真はケープタウン市街。南アフリカ随一の都会で、治安は・・・。悪くないところは全く問題ありません。普通に旅行ができるレベルです。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ケープタウンの一番の見どころと言えばテーブルマウンテンTable Mountain。ここはその入口です。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
テーブルマウンテンのケーブルカー乗り場から見たケープタウン市街。名物のケーブルカーはこのとき、運休中でした。(前日にサイトで知りました。残念)
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
テーブルマウンテン全景。標高1086m頂上が約3kmにわたり平坦なことからこの名前が付きました。地質学的には上部が硬い砂岩質でできており、下部がやや柔らかい泥岩(正確には頁岩)であるので、下部が浸食されてテーブルのような地形(メサ地形)になっています。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
キャンプスベイは、テーブルマウンテンすぐ近くの海岸。ハウトベイ(Hout Bay)はこれから向かうケープ半島方面です。自分はHout Bayに行きます。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
M6線を進むと、目の前にハウトベイHout Bayが見えてきました。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
とても美しい海岸だったので、興味半分に「港でも見てみるか」と港に行ったら、観光客らしき人が多数いました。「シールアイランド Seal Island 行き船乗り場」という看板があり、窓口のおじさんに聞いてみると「オットセイがたくさんいる島にいけるよ」。「すぐ出るから今ならすぐ乗れるよ」と言われ、慌ててチケットを買って乗船しました。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
ハウトベイHout Bayを進んで行く船の上より。右の山はテーブルマウンテンの横から見た図です。ん?「ハウトhout」ってオランダ語で木の意味だよな・・と思って調べたら「ポルトガルは1489年にヴァスコ=ダ=ガマがインドのカリカットに到達してインド航路を開拓した。インド航路の寄港地として喜望峰の近くに入植したが、その維持が困難であったため放棄し、1652年にオランダがオランダ東インド会社への補給基地としてケープタウンを建設した」との記述を見つけました。そっか、ケープタウンってオランダが作ったんだ・・・。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
向かうのは ドイカー島 Duiker Island。オットセイが多数いる島だそうです。残念ながら上陸はできないので、船上から見るだけのツアーになっているそうです。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
よくよく見てみると観光船を運航している会社は何社かありました。自分たちもこんな船にのっているところです。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
船の下部、正確に言うと船体の喫水線に沿ってガラスになっているところがあり、お客が水面と海中の境界を見られる部屋がありました。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
その境界窓を上から見たところ。ウチの子どもにはウケましたが、ほとんどの乗客は大人なので、興味を示さず・・・。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
船内です。簡単なバーがありました。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
乗船してからわずか10分。さあ、ドイカー島 Duiker Islandに着きました。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
いました オットセイです!。正確には ミナミアフリカオットセイ。
アシカ科ミナミオットセイ属の哺乳動物です。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
それにしても、驚くはこの数。近くのおじさんに聞くと4000から5000頭はいるらしい。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
学名をArctocephalus pusillus pusillus。英語での別名を South African Fur Sealと言うそうです。Furは毛皮、Sealはオットセイですので南アフリカの毛皮をまとったオットセイ、というそのままの意味になります。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
このあたりには、季節にもよりますが、クジラも多く現れるとのこと。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
それにしても、すごい絵です。船はいろいろ動いて、様々な角度からいろいろなオットセイを見せてくれます。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
帰りもあっと言う間の船旅でした・・・。ただしわずか10分といえど、南極海に通じる外海ですので、波はかなり高く船に弱い方はやや注意かも。(ちなみに南極海は荒れることで有名だったりもします)
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
美しい港の風景です。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
お金持ちたちのクルーザー達。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
実はこの港にもオットセイが住み着いています。「船に載るほどでもないや」と思った観光客向けに、地元のパフォーマーが餌付を見せてチップをもらっています。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
下船時にもパフォーマーの方がいました。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
上とは別の観光船運航会社。どちらも広大な無料駐車場の目の前なので、とても使いやすいです。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
クジラを見る船もここから出るようですね・・・。
【ハウトベイ と シールアイランド Hout Bay & Seal Island 】
ハウトベイの魅力は、船着き場周辺のお土産屋さん。様々な店が並んでいて、ケープタウン中心部(自分が泊まっているウォーターフロント付近)よりも1/2から1/3の値段のものも多いそうです(・・・と後日ネットで調べて知りました)。
【ハウトベイ Hout Bay 】
さてさて、車をケープ半島にむけていきます。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
ここが「世界でも有数の美しいドライブルート」と呼ばれるチャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive の入口。ここを運転するのが夢でした
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
急峻な崖の脇を道が続いていますが、振り返ると美しい海が。ここは先ほどのハウトベイ Hout Bay。つまりこの見えている海を船で動いたことになります。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
美しい海と細く続く道・・・。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
途中には、車を止めて風景を楽しめる場所がいくつかあるのですが、そこにはこんな看板が。「車上荒らしが多いので貴重品を車内に放置しないように」とのこと。まぁ、そりゃそうだな。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
先ほどのオットセイを見たハウトベイ Hout Bay 。季節がいいとクジラも来るそうな・・・。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
観光船はこんな感じに見えます。(超望遠(640mm)での撮影ですが)
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
道の途中の展望台にて。ミナミセミクジラ Eubalaena australisですね。
南米やアフリカ南部に生息しています。日本語の”セミ”とは「背中が美しい」から来ていると聞いたことがあります。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
この周辺の生態系についての詳しい説明が書いてあります。こういった表示は、先進国では当たり前ですが、南米では見たことがありません。南アフリカってすごいな、と思います。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
ハウト湾を望む風景。海の青さが、やっぱり違います。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
道はこんな感じ。決して広くはありませんが、必要にして十分な広さです。ちなみにここは有料道路。近隣の街に抜けるためには別の山を通る一般道を抜ければいいので、ここは観光路線という意味合いが強く、観光客がメインなので、その点も安心です。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
峠を越えたあとの海。ものすごく遠浅の様子が分かります。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
さて、峠を越えました。ケープ半島に向かって進みます。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
さて、ケープ岬に向けてすすみますが、とりあえずサイモンズタウン Simonstownに向かいます。
【サイモンズタウン Simonstown】
ここがサイモンズタウン。美しい海沿いにあり、ホテルなどもたくさんあるちょっと素敵な街ですが、ここに来た目的は・・・「ペンギン」です。
【サイモンズタウン Simonstown】アフリカーンス語ではシモンスタッドSimonstad。人口6000人ほどの小さな町ですが、数百年前から重要な軍港としても栄えているそうです。
【サイモンズタウン Simonstown】
観光案内所があったので寄ってみました。ホテル・アクテティビティ・地図・・・。ちょっとした先進国なみのサービスでした。
【サイモンズタウン Simonstown】
ケープタウンからは、ケープタウン中央駅から、メトロレール南部線という通勤電車でも来ることができます。
【サイモンズタウン Simonstown】
少し早目の昼食をとることにしました。シーフードは何を食べてもおいしかったです。
【サイモンズタウン Simonstown】
道端にあった植物。中南米で良く見るリュウゼツランの仲間のようですが、この花はなんだろう?
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
さてさてここが、ボルダーズの入口。ここにペンギンがいるとのこと。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
ビジターセンターがありました。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
チケット売り場。大人R45(約400円)、こどもR20(約160円)でした。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
さてこのボルダービーチの最大の見どころは、この美しい景色・・・ではなく
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
このきれいな緑と海でもなく・・・
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
解説版に細かく書いてありますが・・・
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
このみなさんです。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
そう、ペンギンくんです。正確には ケープペンギン。学名をSpheniscus demersus と言います。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
種類としては、小型のフンボルトペンギン属に属しています。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
このビーチには、このケープペンギンが多数生息していて、それを身近に観察できる場所として一大観光スポットになっています。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
年間6万人の観光客が訪れるそうです。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
水族館で見るのとはまた違った可愛さが。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
海もとてもきれい・・・。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
それにしてもものすごい数。しかも動かない・・・。君たちなにしているの?
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
ペンギンの生態系を守れるように、そして観光客が安全、安心して見られるように遊歩道が完備されています。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
よってこんな表情もよく見えます。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
仲間と会話しているのかなぁ・
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
まだまだ子どもですね。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
水族館の動きと同じで、どのペンギンもあまりうごいていません。自然界でもやっぱりそうなんですね。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
ここでの保護活動、繁殖の取り組みの様子が説明されていました。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
一見ただの草むらのように見えますが、ここには・・・。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
ペンギン繁殖用の巣が設置されていました。番号も付いていますので、観察して改良を重ねているのでしょう。
【ボルダーズビーチ Boulders Beach】
ペンギンの生態についての細かな解説がありました。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
そうそうここはフォルス湾 False Bayと言います。なぜFalse(まちがい)かというと、かつてインド洋から大西洋に向かう時、この湾に入り込んで「アフリカ南端をまわった」と勘違いしてしまう船舶が多かったから・・との話です。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ここがケープ半島、喜望峰Cape of Good Hope へのメインゲート。
ここで料金を払います。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
大人 R90(約900円)、12歳以下の子ども R40(約400円)」
「夏(10月~3月) 6時ゲート開、 18時閉鎖  日没までに出ること
 冬(4月~9月))7時ゲート開、 17時閉鎖  日没までに出ること」
「今日の日没時間 18:11 罰金 R500(約5000円)
」とあります。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
メインゲート付近の看板。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
さて、ここが喜望峰へ続く最後の道。地図で見ると半島は細く・狭いのですが、この堂々とした道が続きます。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
中心となるビジターセンターです。この近くに駐車場はあるのですが、すごく狭いです。よって、近くの道路に路上駐車する車が後を絶ちません・・・・って、他に方法がなかったので自分もそうせざるを得ませんでした。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ビジターセンターから、岬の先までは数百メートルの距離があります。しかも急坂ですので、ケーブルカーFunicular もあります。歩いても十分いける距離ですが・・・。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
子連れでしたので、ケーブルカー Funicular に乗ってしまいました。かつての自分なら絶対歩いた距離ですが・・・。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
 「6007日 重大な人身事故なし、 運行無事故距離 51663km」
 など、安全に誇りを持っている感じでした。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
こんな感じの丘を登っていきます。ここが車両交換の中間ポイント。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
わずか5分ほどの乗車後、上の駅を降りるとこんな感じ。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
この場所は、1488年に初めて船で辿り着いたポルトガル人探検家、バルトメロウ・ディアスによって「嵐の岬 Cabo Tormentoso 」と名づけられました。海の難所で15世紀には多くの船がここで難破したそうです。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
これがケープ灯台。銘版には”歴史的な灯台 Historic Lighthouse 1860-1919” とあります。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
その銘版がこれ「このプレハブ鋳造式、鋼鉄製の灯台は海抜249mのケープ岬の先端に建てられた。ここから放たれた2000カンデラの光は67km離れた船からも見ることができた。しかし度々出現する雲や霧には効果がないことが多かった。そして1911年のポルトガルの”Lusitania号"の難破事故のあと、現在の位置、つまりDias Pointの下にある海抜87mの場所に灯台を建設することに決めました
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
「設計・企画 ALEXANDER GORDON CIVIL ENGINEER社
 灯台製作  LANTERN & LIGHTS社  1857年」
とのこと
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
世界各地への距離が書かれているポールが立っています。かつてはTOKYOもあったらしい・・・との話も後で聞きました。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ここを発見したときの様子を書いた文章を引用します。
「1448年、アフリカを東に見ながら南下し続けたバルトロメウ=ディアスの船団は嵐の中を吹き流され、気がついたときにはアフリカ大陸の陸地が西に見えるところまで来ていた。そこで初めて大陸の南端を越えたことを知ったが、船団は疲れ果て、おまけに補給船とはぐれてしまって食糧難が始まっていた。乗組員は反乱を起こす一歩まであったので、ディアスはやむなく引き返すことにした。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
その帰りに大陸から大きく張り出している岬に上陸し、ディアスは彼が遭遇した荒天にちなんで「嵐の岬」(カボ・トルメントソ)となづけ、記念の石柱を立てて、16ヶ月にわたる航海をおえてポルトガルに帰った。国王ジョアン2世は自ら長年追求して来た願望の成就を見越して「嵐の岬」を「喜望峰」(カボ・ダ・ボア・エスペランサ)という人を鼓舞する、そして永続性のある名に改めた。
~ペンローズ『大航海時代』荒尾克己訳 筑摩書房 p.59
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
このアングルの写真が、いろいろな媒体に「喜望峰」として出ています。この小さな岬が‘喜望峰Cape of good hope で、足元の半島はケープ岬 Cape pointと称されるみたいです。その中間がディアスビーチ Dias Beach。このあと紹介します。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
インド洋側です。見渡す限り青い海が続きます。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
広いな―――。と地球の広さを感じてしみじみしますが、人間の視程では5km程度しか見渡せないらしいです。ここは高さがある岬なので数十キロは見渡せると思いますが、それでも、本当に近所しか見えないのが人間らしい・・・。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
たくさんの観光客がいました。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
灯台から見たケーブルカーの上駅。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
灯台までのトレイル。往復90分との標識。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ケーブルカー駅には様々な展示物がありました。これは海運の歴史。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
海を守ろう。海流と生物の話。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
「海運の交差点」この場所がどうやって発見され、発達してきたかについて。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
お土産屋さんと、下りケーブルカー乗り場。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
これ、ものすごく使えるマップです。灯台、ケーブルカー駅、観光案内所、売店、それぞれに向かう道・・・。ここにケープ岬にある主要物が全て書かれています。まぁ、無くても十分わかる道ですが。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
下を見下ろすと、展望台が見えました。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
「空と岩の巨匠たち」との説明板。読むと、え?ここの地層は大きく3つに分かれていて、一番下は古生代。5億4000万年前で、ここから三葉虫の化石がとれるの?とビックリの内容です。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
先ほどの展望台にきました。現在は普通の崖の展望台ですが・・・。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
第二次世界大戦の遺構でした。1943年に南アフリカ防衛軍(South African Defence Force)の特別信号部隊(Special Signal Service)によって作られた、ドイツ軍のUボートを検知するためのレーダー基地跡だそうです。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
確かに敵の潜水艦を感知するには良い場所かも・・・。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
崖の展望台はこちら の案内板
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
緯度と経度が書いてあり、記念写真にはもってこいの看板。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
展望地はこちらの看板。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
ちょっと距離がありそうで、悩んだのですが、同行のチビが「行きたい」というので、この海岸、ディアス ビーチまで歩くことにしました。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
30分も歩いたでしょうか?大人の足なら20分ほどで着くと思います。ようやく海岸付近にきました。やや遠い道のりですが、景色は絶景、風も気持ち良くて意外と楽しいハイキングでした。(チビは道々おやつをねだって仕方ありませんでしたが)
【ディアスビーチ Dias Beach 】
ディアス海岸までは、かなりの高低差を降りる必要があります。ケープポイントの灯台が249mですから、少なくとも150m程度の高低差があると思われます。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
降り口にあった標識。この海岸は1488年、ポルトガル人バルトロメウ・ディアスが上陸した場所とされています。強風が吹き荒れ、船が難破することが多かったことから 嵐の岬 Cabo Tormentoso (Cape of Storms)と名付けられたいわくつきの場所です。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
こんな階段を延々と降りていきます。途中、階段が抜けていたり、腐って亡くなっていたりするのはご愛敬。むしろ全てがきちんとしている日本が変なのです(と考えると気が楽になります)
【ディアスビーチ Dias Beach 】
「泳ぐと危険」の標識。地元民も含めて本当に伝えたいことは、英語だけでなく、アフリカーンス語でも併記されているのがここの特徴。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
到着!!!
【ディアスビーチ Dias Beach 】
すっごく激しい波が続きます。この日は晴天で、海は穏やかな方なのかもしれませんが明らかに水の動きが日本の海とは違います。「南極海は常に荒れている」と誰かに聞いたことがありますが、やはり大陸の先端の海の動きはすごいです。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
水は本当にきれいです。
【ディアスビーチ Dias Beach 】
また長い道のりを歩いて戻ってきました。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
ケーブルカーFunicularの始発駅に戻ってきました。すると何やら皆さんがスマホやらカメラを向けています。その先には・・・
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
コイツがいました。バブーン Baboon と呼ばれるヒヒです。
【ケープ植物区保護地域群 Cape Floral Region Protected Areas】
この ヒヒ Baboon は サル目オナガザル科ヒヒ属に属し、 雑食で好奇心も強くかなりのイタズラものです。だれかが言っていましたが、ケープ岬には11ものヒヒの群れがいるそうです。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
夕暮れになりました。美しい夕焼けをケープタウンに向かって帰ります・・・。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
夕暮れがまた美しい!
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
夕日の見える場所に車を止め、沈むまで見入ってしまいました。
【チャップマンズ・ピーク・ドライブ Chapman's Peak Drive】
赤く染め上げられた道もまた美しいです。
【ヘルマナス Hermanus 】
別の日。「ケープ半島にも行ってしまったし、時間もあるし、車もあるしどうしよう・・・」と悩みました。本当はアフリカ大陸最南端であるアグラス岬Cape Agulhas(アフリカーンス語Kaap Agulhas)に行こうと思いましたが、250kmあり、3時間はかかるので、チビが嫌がりそうなので断念。かわりに「クジラがよく見える街」「陸地からクジラが見られる街」として有名な ヘルマナス Hermanus (ハマナスとも)に行くことにしました。ここは高速N2号線。
【ヘルマナス Hermanus】
ヘルマナス Hermanusの海岸にて。ケープタウンから130km。時間は2時間弱で到着しました。
【ヘルマナス Hermanus】
さすがクジラの町。いたるところにクジラに関連するものがあります。
【ヘルマナス Hermanus】
真剣なクジラウォッチャーではなく、ノリでここまで来てしまったのですが、海岸を見てもクジラが見えません。海岸沿いにおしゃれなレストランがあったので入ることにしました。
【ヘルマナス Hermanus】
「SEA WORLD」というレストランに入り「席はありますか?」と聞くと気の良さそうなお兄さんが「今は空いているんだけど・・・実は1時間後に団体客の予約があるんです」との返事。「じゃ、急いで食べればいいんだね?」「いやいや、普通に食べてもらえればいいんですが・・」とのことで、むしろ子連れには都合が良いので、早めに料理を出してもらうことにしました。
【ヘルマナス Hermanus】
テーブルに着いて改めてまわりを見回したら、すごい環境に気が付きました。このレストラン、完全に磯の上にあるのです。オープンテラス型といいますか、とにかく店の庭先が、雄大な磯と海なのです。食事ができるまでの時間、子どもたちは大喜びで磯で生き物を探していました。
【ヘルマナス Hermanus】
料理はもちろん、新鮮なシーフード!。値段もそこそこ安く、とてもおいしかったです。
【ヘルマナス Hermanus】
食事のあと、せっかくなので、磯でたくさん遊びました。
【ヘルマナス Hermanus】
何だろう、この巨大な海藻類は・・・。
【ヘルマナス Hermanus】
石の間にはたくさんの魚、イソギンチャク、貝がいました。日本ならば・・・この海岸に来るだけでも1日遊べます。

【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
海の話題ついでに別の話題を。話をケープタウン市街に戻します。ケープタウンの繁華街 WATERFRONTには水族館があります。大西洋とインド洋に囲まれた場所、ということでトゥーオーシャンズ水族館と名付けられています。

【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
自分は水族館が大好きで、世界中の水族館を回っていますが、ここの内容もなかなかです。確かに二つの海洋の生き物が多数飼育されています。
【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
ニモでおなじみ、カクレクマノミの集団。あの映画のヒットで人気は出ましたが、反対に乱獲もされてしまっているという話も出ています。
【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
いわゆるイセエビです。甲殻類も多数展示されていました。
【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
クエに似た大型魚も多く泳いでいました。
【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
ちびっこに人気のタッチプールも完備。イソギンチャクやナマコなど、これも世界共通と言える磯の生物がタッチ可能になっていました。
【ケープタウン水族館 Two Oceans Aquarium】
・・・ななんと、福島・小名浜の大漁旗がどどどん、と展示してありました。東日本大震災からの復興を願うメッセージを添えて・・・。どうやら第8回世界水族館会議をここ、ケープタウンで行い、第10回の会議を2018(H30)年に福島で行うことになったことにちなんで、とのことです。(日本にいるとき、いわき市小名浜のアクアマリン福島も大好きで何度も行きましたが、本当に良い水族館ですよね。そこを含めた東北の復興を心から祈っています)