旅のトラブル回避方法 やはり世界で一番安全なのは日本です。 海外に出かける日本人は増える一方ですが、反面トラブルに巻き込まれた話も多く聞きます。 添乗員付きのツアーならともかく、自分で身を守るしかない個人旅行者向けのトラブル回避方法を紹介しましょう。 |
現金・貴重品は分散して | 海外に出かけるときの基本中の基本。「このバッグが取られてもこっちの財布のカードが使える」「この現金が取られてもあの財布に金がある」と二重三重に防御していきましょう。本当に治安の悪い国に行くときは「靴の中」「ズボンに縫いつけ」「ベルトのバックル」などの方法があります。ただし、コロンビアの深夜バスで強盗にあった友人は「裸にされて全てを調べられた。どこに隠しても絶対に無理」と言っていました。彼の場合、命が残っただけでも良かったと言っていますが。 |
大切なものにはバックアップ | 例えばパスポート。機内で入国書類を書くときにも、本物を出さなくてもコピーがあればすぐ書けます。(どうでもいいことだけど、本来パスポートのような公的文書は複製を禁じているんだよね。でも外務省ではコピーを勧めている。へんな話ですが。)。T/Cの換金にもコピーでも対応してくれることも多くあります。何よりも、コピーがあれば再発行がかなり楽になるそうです。コピーがあればいいのはクレジットカードも同様。両面を一枚コピーしておけば紛失した時にすぐ対応できます。 |
クレジットカードは賢く使え | 世界を歩くとき、クレジットカードというプラスチックマネーは欠かせません。種類もたくさんあるので迷うところですが、オススメは「VISAかMaster」です。中でもVISAがおすすめ。ほぼ確実に使えます。American Expressは補償制度がしっかりしているのですが、年会費が高いのと途上国で使いにくいという欠点があります。また、付属機能としてPLUS-SYSTEM等キャッシングサービスの有無も確認しましょう。例えば、即時発行してくれるものの、日本人が行くところでしか使えない「JCBトラベルカード」は正直言って途上国や日本人の行かない国では全く使えませんが、PLUS-システムがついているのでキャッシングが使えます。 |
深夜の出歩きは自殺行為 | 一般的に、ヨーロッパもアメリカも夜はとても早く訪れます。まぁ、香港とかアジア地区になりますとやや遅くなる傾向はありますが、それでも、日本にいる感覚で深夜に出歩くととんでもないことになります。店は営業していませんし、自動販売機もほとんどないので、「真っ暗」という場合がとっても多いのです。ニューヨークなんかですと、地下鉄もキャッシュディスペンサーも24時間やっていますが、地下鉄は本数が激減しホームでず〜っと待つことになりますし、暗闇にはやっぱりアヤシイ人たちがたむろしています。 |
空港はスリと泥棒と詐欺師に出会うところ | 特に途上国では、空港に着くなりどどどどーっと、「タクシーはどうだ」、「ホテルはどうだ」、「ツアーに入らないか」と声がかかります。:エジプト・カイロ空港なんぞはイミグレーションの前から勧誘が始まります。しかも、「オフィシャルスタッフだ」といいつつだます奴らもうようよしてます(この時、パスポートを盗られそうになりましたがダッシュで逃げました)。自分の経験から言いますと、あちらから声をかけてくる場合の85%はボッタクリ精神あふれた人々です。その国の事情を知らない外国人は本当に良いカモ。しつこく言われてもひたすら無視し早足で歩き去りましょう。 |
身なりで相手を信用しない | 一流ホテルで、ルームサービスのフリをして、パスポートを預かるふりをしてドロボーする場合があるそうです。また、例えばイタリアの話。いかにもそれっぽい「ニセ警官」が横行しています。「今、偽札が流行っている。お前の財布の中身を調べたいから財布を貸してくれ」と話しかけたら大抵ニセモノです。彼は札束を数え始め、手品さながらきちんと高額紙幣のみわ抜き取っていって「協力ありがとう」と財布を返します。自分自身、3回目のイタリア訪問でローマで出会いました。そういうときは、言葉が分からないふりをして、ダッシュして逃げるのがベスト。「おいおい、ジャパニーズ待て待て」と追いかけてきますが、そんなにしつこく追い回されませんでした。 |
両替のノウハウ | 金銭がからんでくると、トラブルにあう機会も増えます。両替関連について場所によって事情は全く異なるので一概には書けませんので一般的なことを書きます。 |
目立つな | パリ、ニューヨークなどで、いかにも「私はブランド大好き日本人よぉ〜」というメッチャ派手な人に出会います。そこならそれで良いかもしれませんが、中南米にそれで行くと完全なカモになります。「荷物は持つな(メキシコシティ)」「時計を持つな(ペルー、リマ)」とまで言われました。よくスーツケースにシールをぺたぺた貼っている人がいますが、それも治安の悪い空港では荷物を狙われる原因になるそうです。(私も昔使っていたスーツケースは、シールだらけ)。あとカップルのペアルックも狙いやすいそうな。なんてったっていかにも金のありそうな目印が2つも同時にあるのですから。 |
体から荷物を離すな | 荷物から手を離してしまえば盗まれるのは当たり前。いすに座って荷物を床や隣の座席においてある場合でも、ひもに手を通したり、足を通しておいたりして荷物が完全にフリーになるのをやめましょう。せめても手に触れていて、なくなったら感触で分かるようにしておくべきです。こんな簡単なことですが、泥棒はちゃんと警戒している人間と、無意識の人間を瞬時に判断します。 |
背後を取れ | 海外一人歩きの鉄則の一つです。空港や駅のホームでちょっと休むとき、背後が壁になっている場所に座るようにします。すると注意する範囲は目の前の180度で良いわけです。もし、背後も座席だったり広場だったりする場所に座ると、注意すべき範囲は360度全域という事になります。人間は肉食動物を警戒する草食動物の様に目が横に着いていませんので、背後が壁であるところに座ることにより、荷物を狙う敵の動きをしっかりと見ることができます。名付けて「隅をとるとオセロは強いの法則」 |
脱出路を考えて | これはかなり危険な国で、危険なエリアを歩く場合の話です。勝つ喧嘩をするときの鉄則に「逃げ道を確保する」というのがありますがその応用です。怪しい国の街角を歩いていて、「今襲われたらこう逃げよう」「こっちから狙われたらこう逃げよう」と常時意識的にシュミレーションしておくのです。ちょうどパソコンの常駐プログラムのようなもの。アヤシイ人が近づいてきたな、と感じたら、足をとめて様子を相手の様子をうかがってそれから逃げる、という方法もあります。 |
いざとなったら日本語でさわげ | 喧嘩をするとき、「ええっとバカヤローってアラビア語でどういうんだっけ」と悩むよりも、「テメーふざけんな、どついたろか、このアホ」とこてこての日本語で素直に言った方がいいようです。意味がわかんなくても「あっコイツは怒っているな」という意志が通じればいいので。ちなみに周りの人にドロボーを捕まえて欲しいときは「Fire!(火事だぁ)」と叫べばいいらしいです。ドロボーは人ごとですが、火事ならば誰にとっても一大事なので。 |
ホテルを信用するな | まともな国のまともなホテルは別です。しかし、途上国のホテルは室内も安全とは限りません。貴重品を室内においておかないことは勿論ですが、持参したチェーンや鍵を活用し、ホテル内部からの盗難にも備えましょう。 |
貴重品を持つな | 高そうなモノを持つとそれだけで狙われます。ロレックスの時計なんてもってのほか。カメラ等もそう。自分はコンパクトカメラは「ドロボーに盗られても良い用カメラ」と位置づけています。小さい三脚でセルフタイマーとかで撮っていると「いかにももっていけ」という感じなのですが、本当にそんな気分で使っています。 |
飛行機は意外に使える | シンガポール航空を使ってエジプトに行くとき、経由地のシンガポール・チャンギ空港着が深夜2時でした。カイロ行きはその日の午後発でしたので待ち合わせ時間がかなりありました。「ロビーで寝ればいいや」と思っていたのですが、それでもトランジットホテルの様子でもを聞こうと、フライトアテンダントのねえさんに話しかけると、みんな集まってきて「それは大変です」とみんなで協議を始めました。「ああ、さすがSQだ」とそれだけでも感動していたのですが、降機時に「せめてこれを・・といってシンガポール航空特製免税品袋に毛布3枚、枕2つ、洗面セット3つなどを満載して渡してくれました。SQのその心遣いに涙が出るほどうれしかったのですが、そのとき、「そうか飛行機の中のモノって頼めばくれるんだ」と気がつきました。ブランケットなども端をよく見ると「これはウチの飛行機会社のモンだから持っていっちゃだめだよ」と書いてあるのですが、頼めばくれるエアラインも多くありました。まぁこっそり持っていってしまう人も見かけないわけではありませんが。 |
体調には万全を | よく言われるのが「水」のこと。安全な国も多いのですが、やはりミネラルウォーターをお勧めします。また怪しい国では、飲み物に入っている氷も怪しいみたいです。そうそうウラ情報として、エジプトに住み着いてしまった日本人のおねえさんが「コーラって下痢止めになるんだよ」と言っていました。ウソかホントか分かりませんが。 |
もちろんこの全てが、全ての国に当てはまるわけではありません。
しかし、何も考えないでトラブルにあってしまうよりは、「可能性」としてこういう情報を知っておくことは意味があります。