港
(Puerto)
絶海の孤島イースター島にとって港は大変重要な施設である。しかし、海が浅く、波も激しいこの海域では大きな港は作れない。だから、現在この島には2つの港があるがどれも規模はとても小さい。日本で言うならば地方寒村の漁港というべき大変小規模なものしかない。生活必需品は、ランチリカーゴでサンチャゴから空輸されてくるが、大きな資材や車などは数ヶ月に一度来るチリ海軍の補給船から、はしけで何度も往復し上陸させるという。そうそう日本のクレーンメーカータダノがトンガリキのモアイを修復するとき、50tクレーンをどこから島へ上陸させるかだけでも大問題だったという。彼らが選んだのは、チリ海軍を要請し、上陸作戦用の船艇を借りてアナケナの浜に上陸させたという。飛行機を使えば比較的簡単に島に行ける時代になっているが、やはりこの島は特殊な島である。
ピコの港
イースター第一の港、ピコの港。場所も簡単。ハンガロア村の中心から真っ直ぐ海を目指して降りていけばここにつく。近くにはモアイやシーフードレストランも何軒かあり島の中では華やかなエリアになっている。ここに停泊しているのは小さな漁船のみ。オロンゴの向こうにあるモツヌイなどの3つの島に渡りたいときには、ここに来て船の持ち主と直接交渉をすればいいらしい。
もう一つの港
ピコからそのまま左に未舗装の道を車で5分。2kmほど離れた場所に第二の港がある。ちょうどチリ海軍の宿舎の下に位置する。ピコの港がその回りにレストランなどがあった華やかな雰囲気だったのに対して、ここはまわりは草地と崖という殺風景な感じを受ける。ただし、ピコの港よりも少し広く深い港に思う。実質的にこの島一番の港なのだろう。
クルーザー? 漁船? いや監視挺?
第二の港には、きちんとした岸壁と、こういった停泊施設がある。港の外壁、つまり陸から遠い所には漁船の姿もちらほら見えるが、港の中心付近にはそういった船は見られない。この写真の船も一見クルーザーに見えるが、おそらくチリ海軍、または政府所有の監視挺と見た。(近寄って見たがその正体は分からなかったが)
はしけがスタンバイ
チリ海軍が補給に来る際、島と船を結ぶはしけが崖下の保管場所におかれてあった。あまりきれいでない、はしけだが大陸と島を結ぶ大切な船なのであろう。
第二の港のそばにはモアイが
何の解説もなく、どんな本にもここのことが書いてないので、細かい説明はできないが、第二の港を見下ろす丘の上にモアイがあった。アフはコンクリート製で明らかに近年(と言っても数十年)に建てられたモアイであることが分かる。首の所に修復した跡もあり、明らかに近年の技術によって修復されたものである。モアイのデザイン自体はとても古く、初期のモアイであると考えられる。近くにチリ海軍があることから、チリ海軍が何かの記念に修復し、建てたものなのだろうか?。