宿泊施設
(Hostel)

「イースター島って泊まれるところあるの?」「人が住んでいるの?」とイースターに行って来た事を話すと必ず聞かれる。確かにモアイだけの島にホテルはないと考えるのも普通でしょう。ここではその宿泊施設についてまとめる。

【どのくらいあるのか】
はっきり言って「旅行者の数よりも宿泊施設の方が多い」というのが結論。その数、島全体にいくつの宿泊施設があるか見当がつかないがおおよそ30件前後だと思う。上は一泊US$150(一万五千円以上)から、下はUS$10(千円)、庭先でテントを張ってタダ、というものまで様々な種類のものが選べる。ただし、これは恐ろしい事実なのだが、はっきり言って宿の快適さと値段は等しくない。なんと言っても絶海の孤島。5つ星ホテルと言っても、大陸にある5つ星を連想してはいけない。高くなれば多少設備は良くなるものの、遠かったり、部屋も狭かったりするらしい。

【どうやって予約するのか】
日本・そして海外にいたとしても旅行会社を通じて予約できるのは、一泊US$100以上の高級ホテルのみ。US$50前後の中級ホテルでもメールやFAXが使えるところも出てきた。しかし、はっきり言ってこの島に限り「ホテルの予約は必要なし」。ランチリの飛行機が空港に到着すると、到着ロビーには、「ホテル紹介仮設ブース」(下の写真:学園祭の焼きそば屋の出店のようなもの)が10件ぐらいできて「ウチのホテルはいくらで、何があるよ」「うちはいくらだよ」と呼び込みが始まるのである。海外慣れしている旅行者だと「あぁ、またぼったくりか」と思ってしまうが、この島に限りそれはない。みんな正直に「うちはテレビはないけれど安いよ」などと話してくれる。地図やパンフレットを見せてくれるのでその場で交渉し、宿まで連れていってもらうしかない。そうそうその会話は90%英語で大丈夫。スペイン語しか話せない宿のおばちゃんとは、隣のブースのお姉さんが代わりに英語通訳してくれる。

空港のホテル紹介コーナー。ごらんの通り手荷物ターンテーブルの隣にある。写真は、もう店じまいをする時なのでガラガラだが、到着してから30分ぐらいは大賑わい。

【値段は】
高いところでUS$100前後、中級クラスでUS$50前後、お手軽クラスでUS$30前後、ぶっちぎり格安でUS$10といった感じ。ただし、これは夏(8月)というシーズンオフの値段なので、旅行者が増える冬には値上がりする可能性がある。US$100以下の中級以下は全て個人経営の民宿と言ってもいいくらいのほのぼのとした宿が多い。僕が空港に着いたとき、9件の窓口が出ていたので全部の値段を聞いてみたら、「US$60-1件、US$45-1件、 US$40-2件、 US$25-2件、 US$20-2件、 US$10-1件」だった。ちなみにこの値段は定価でまず値引き交渉は不可。ボッタクリをしないので、この値段を信じて良いのだが、「まず値引き交渉」をしてしまう人間にとっては物足りない気がする。どうしても、という時に値段を下げてくれる可能性はあるが、この島では宿、モアイのお土産などを含めて値引きはしない所がとても多い。


日本人経営(らしい)高級ホテル、Iorana Hotelの入り口

【宿探しをするとき気をつけること】
ガイドブックを見るといくつかのホテルが出ている。バックパッカークンは、つい「よし、部屋を見てオヤジと値段を交渉して値切って泊まろう」と考えてしまうが、この島ではそれはやめた方がいい。理由は@多くのホテル・民宿の看板は出ていないので、どこがそのホテルなのか、民宿なのか外部から見て分からない。ALA833など夜着いた場合は、真っ暗の村の中を、看板もない宿を自力で歩いて探すしかなくなる。それは危険だし誰がどう考えたって「非常識」。空港から村の中心部まで約2km。真っ直ぐ行って一回曲がればいいだけなので、道はカンタンなのだが、なにしろ街灯が少なくしかも、ホテル自体そういった「歩いて飛び入りで来る客」を想定していないので、入り口さえ開けていないところも多い。大手大型ホテルなら夜でも分かるし、レセプションも空いていると思うが、それだったら素直に最初から空港なり、事前に、予約しておいた方がいい。
 また、島の滞在の途中でホテルを換えることも、一週間以内の短期滞在者はやめた方がいい。明確な看板が無い、またはあってもとても小さい以上ホテルはとても探しにくい。ハンガロアの村は決して大きくはないのだが、「ホテル」なのか「民宿」なのか「ただの民家」なのか外観だけでは判断できない場所が多いのもデメリット。長期滞在する人は、旅人または島民の友達を作って紹介してもらったり、そちらの宿に移るなどすればいいので、宿換えも十分可能。

【お勧めの宿】
自分の経験から言うと「安い・小さい民宿が楽しい」に尽きる。自分の目で確かめてみるのが一番だが、治安の心配のないこの島では、安いホテルのセキュリティを気にすることもないし、テレビや電話が無くてもそれが普通と思えば何の不便もない。朝食は例によってパンとコーヒーが基本だから、どこに泊まってもそう違いはない。規模の小さい民宿の場合、泊まっている人をお互いによく理解できるので「今日は、○○人の△△さんが帰る日だな」とか「昨日の夜の飛行機で来たのは△△さんたちなんだ」と毎日新しい友達を作ることができる。島を巡っているときにも出会ったりして「そっちのモアイはどうだった?」と情報交換できたり、深夜遅くまで多国籍でトランプをしたり、みんなで市場やスーパーで食材を買ってきてキッチンの付いている安宿に押し掛けて、ごはんを作って食べたりと「昼も夜も楽しい」生活ができる。しかも、最近はみんなE-Mailぐらいは持っているのでそれぞれの国に帰っても手紙のやりとりができる。欧米人の多くは、少なくて数ヶ月、長くて一年間というようにものすごく長い期間旅をしていることも多いが、各地にインターネットカフェができているので、旅先からメールをくれることもある。宿とは「疲れて寝るための場」であるが、安宿は「世界中の友達をつくる場」でもある。

英語が通じる民宿 Martin Y Hostel

個室、シャワー、トイレ付き。シングルUS$35 、ダブルUS$60。作者が泊まったホテル(民宿)。英語版ガイドブックLonly Planetsにも紹介されていた。民宿としては高い方になるが、陽気な主人と、やさしい奥さんと経営の親切な民宿。ホームページもあり、メールで予約することも出来る。(リンクのページ参照)

イースターの宿の良さは、みんなと友達になれること。たとえばこの写真のようにフランス人のカップル、スウェーデン人のお兄さん、大阪の日本人のお兄さんのように様々な国と地域の人ととても親密になれる。ちなみに、この写真の夜は2時までみんなでトランプをしていた・・・・。

Hotel Maori

ドミトリー形式 一人US$10。部屋は相部屋で3部屋(最高6〜7人だと思う)。キッチンが着いていて自炊も可。空港に紹介に来ていた宿の中では最安値だった。村の中心部に位置し、ロケーションは最高。スペイン語しか通じないオバサンが経営する。バックパッカーの若者には最適。

安宿の基本、キッチンと食事兼居間スペースがある Hotel Maori。あなたが若者で、ここが空いていたら絶対にお勧め。