ルーマニア入国について

空路
日本からルーマニアに入る場合、直行便はないためヨーロッパ各都市を経由して首都ブカレストに入るのが一般的。ブカレスト・オトペニ空港に乗り入れている主なエアラインは、ルフトハンザ、ブリテッシュ、エールフランス、KLM、アエロフロート、トルコ航空など。もちろん、運行範囲ならばブルガリアのフラッグシップTAROMを使ってもいいと思う。

鉄道
ブカレストの中心ブカレスト・ノルド駅から国際列車が多数出ている。トルコのイスタンブール、ユーゴスラビアのベオグラード、ハンガリーのブタペスト、ギリシャのテッサロニキ、ウクライナのキエフ、ロシアのモスクワ、そしてブルガリアのソフィアなど本数は多い。ただし、日程、運行時間などはとても良く変更される。トーマスクック時刻表に出ている列車でさえも数時間遅れることはザラ。紙の情報を信用せず、現地でよく確認することをお勧めしたい。

バス
利用者が多いのはブカレスト−イスタンブール間のバス。他にも西ヨーロッパとの国際バスは比較的多い。ルーマニアから乗る場合は、ブカレスト・ノルド駅北側の旅行代理店で扱っている。

海路
ブルガリアからドナウ川を渡ってのフェリーが出ている。

レンタカー
レンタカーを使っての入出国はルーマニアに関してまず不可能。もちろん国内を移動するのに問題はないが、ハーツ、エイビス、ユーロップカーなどの大手でさえも、近隣諸国からレンタカーを使ってルーマニアに入出国をするのは、どれも現状では不可能だった。仮にそれができたとしても、東欧諸国特有の「車種による制限」という規則もある。メルセデスなどの高価な車の入出国は難しくなる、というものである。


ビザ(査証)について
つい最近までビザが必要だったが、現在観光目的の日本人はビザなしで入国が可能。

出入国審査
ブカレスト・オトペニ空港の入国審査は予想に反して結構厳しかった。観光目的の日本人ならほぼスルーパスか、と思っていたが、実際には「いつまで滞在するのか?」「どこに泊まるのか?」「この後の予定は?」「帰りのチケットを持っているか?」などと5分ほど質問された。他の(怪しそうな)外国人はとても長くいろいろ聞かれていた。


「作者からのアドバイス」
ルーマニアは観光地化しておらず素朴な良さが残っているが、その分諸外国に比べるととても移動しにくい国でもある。そもそもブカレストに入るのも少々面倒。多数のフライトは出ているものの、日本からはブカレストまで発券できない、という場合もよくあるらしい。ボクも空路トルコのイスタンブールからブカレストに入ったが、このチケットもいろいろ考えた末に「成田−イスタンブール−アテネ」の往復はHISの格安で、「イスタンブール−ブカレスト」はなんとトルコ航空東京オフィス発券の片道ノーマルチケットという変則チケットでルーマニア入りをすることにした。
聞いてみると、トルコ航空の場合、格安の世界では、日本ではイスタンブール−ブカレストは取れないのだそうだ。それならとweb上で取ろうと各国の旅行予約サイトで検索してみたのだが、相手がルーマニアでは「この区間は電子発券できません。しかし、あなたがアメリカにお住まいならば追加料金で一週間以内に発送します」などととんでもないメッセージが関の山。日程が迫っていたこともあり、泣く泣く高価な普通運賃を払って、ブカレスト入りをした私でした。
 バスについてだが、おそらくルーマニア国鉄の国際列車切符を買うよりも確実に早く買えると思う。ブカレスト・ノルド駅北側(駅から少々離れているが)の旅行会社街には様々な会社が軒を並べてバスの切符について丁寧に対応していた。反対にルーマニア国鉄の窓口は、ノルド駅の国際窓口も市内の国鉄本社の窓口の姉ちゃんもとても横柄で、国際列車の切符を買おうとしているのに「明日のチケットはここでは売らないよ」「一時間前じゃないと売らないよ」と西側では考えられないことを平気で言われた。しかし、チケットさえ買ってしまえば国鉄の旅もとても快適だった。ボクは、一等寝台でブカレストから、ブルガリアのソフィアに移動したがロシア規格の大型車両はとにかく快適。ベットや設備が古いのは仕方ないとしても、治安も良く他の部屋の旅人との談話も弾んだ。ただ入出国が大変で出国駅で1.5時間、入国駅で1.5時間、計3時間もかかった。しかし、バスでは、賄賂を要求されることもあり、治安的にもやや危ないとの話も聞いている。