番外編 柏崎トルコ村 のトロイの木馬
世界有数の親日国トルコ。しかし、日本人がトルコに対してそれほど親密な感情を持っているかと言えばそうとも言い切れない。そんな日本にあってトルコ文化を知る貴重な情報発信基地となっているのが、ここ新潟県柏崎市にある柏崎トルコ村である。ここに行けば日本にいながら、トルコの魅力を体験しながら知ることかできる(らしい・・・・)。
![]() |
日本海を望む良い位置に木馬は立っている。晴れた空、青い海とシチュエーションはばっちり。ここトルコ村には写真のようにギリシャ建築風の柱なども立っているが、トルコを知らない人には、「トルコってこんな感じ・・」と勘違いしてしまうかもしれないと思う。 |
![]() |
これはもう建築物といっても良いくらい良くできた木馬である。縦横の造形の正確さ、それと、しっかりした階段(トルコ本国の木馬は狭くてボロかった)と、アルミサッシを使った窓(トルコのものはただの木枠)など、さすが技術大国日本の建築物である。ただし、これは建築物としても立派だが、とてもギリシャ軍が作った「神様への捧げもの」には見えない・・・。 |
本音を言うと・・・。 この施設、開園したのは今から4〜5年前だったと思う。まだまだバブルの余熱も残っていた上、ちょうど(帯に短したすきに長しとして悪名高い)「ふるさと創世1億円」の時代だったのではないかと記憶している。外国好きの作者は開園まもなくに胸をときめかせてここ、柏崎の地を訪れた。決して安くない入場料(\1000ぐらい)を払い、一歩足を踏み入れた私は、思わず驚いてしまった。内容・施設が予想していたよりも遙かに貧弱なのである。私の期待が大きすぎたと言えばそれまでだが、ここの中心にはちょっとした中庭があり、それを取り囲むちょっとした3つの建物・・・それが全てだった。 何人ものトルコ人も働きにきてくれていて、その場で悪口を言うつもりはなかったが、率直な感想として「もー、二度と来るもんか!」だった。 そして2001年秋。年末年始に行ったトルコの印象があまりにも良かったため「よし、もう一度あのトルコ村に行ってみよう」という事になった。今回は前回の反省があるため「たいしたこと無いけれど、暇つぶし程度に・・・」という思いで再びここのゲートをくぐった。入場料は(たぶん)据え置きの1000円。そして案内のパンフを見て驚いた。なんと2倍の広さに拡張されていたのである。ここに紹介した木馬はその拡張部分に建てられていた。いや、木馬だけではない。なんとアルテミスの女神像も、アレキサンダー大王の石棺も、ブルーモスクもどきのドームも、そしてノアの箱船も作られていた。この全ての実物を現地で見ている私は(いゃ、ノアの箱船は見ていないけど)その努力にとても感激してしまった。 ・・・・・・ただし、「秋の行楽シーズンの連休」という絶好の稼ぎ時に行ったのだが、お客はまばら。やはりリピーターの心をつかむ内容ではなかったらしい。大きな声では言えないがきっと累積赤字がたまっているに違いない。このままではいつか閉園してしまうかも、とさえ思った。トルコに興味があるみなさん、過度の期待は禁物ですが、冷やかし程度に、訪れてみるのも良いかもしれません。 |
|
![]() |
これこそ、ここの目玉といっても良いものである(ホントか?)。ななんと、お子さま用「トロイの木馬型空気プニョプニョ遊び器」(正式名称不明)。デパートの屋上や、商店街のイベントなどで見かける、100円を払って、「くつをぬいであそびましょう」と注意書きがあったりするお子さま用の空気遊び器(?)である。トロイの木馬の観光用複製はここにもトルコ本国にもあるが、この道具だけはトルコ国内では絶対に見あたらないだろう。いったいいくらかけて作ったのか、またはそれで元が取れるのか全く謎だが、世界でここにしかないと思われるこれは非常に価値が高いと思われる。 |