オロンゴ
(ORONGO)
ハンガロア村に一番近いカルデラ湖、ラノラク。その美しい湖のとなりに儀式村として名高いオロンゴがある。ここは19世紀中頃まで続けられていた鳥人儀礼の儀式村で、様々な岩絵・岩屋が残されている。モアイとはちょっと違うがイースターの過去の文化を伝えるところとして意義の高い場所である。
オロンゴマップ
チケットオフィスでくれたオロンゴのマップである。1がチケットオフィス側、つまりハンガロアの村から来る側。5が島の先端、2.3.4側がラノラクのカルデラ湖、6.7.8.9.10.11.12側は海側になる。細かい解説をしたいのだが、簡潔なパンフレットゆえ大した解説が書いてないのと、スペイン語なのでちょっと解読不可能。
国立公園の碑
マタヴェリにある「ここはラパヌイ国立公園だよ」という標識。ハンガロアの村からオロンゴに向かおうとする坂道の始まりにこれがある。おそらくかつての鳥人儀礼の時、首長達が準備のための村を作ったのがここらへんだと思われる。
坂道の途中にある標識
マタヴェリからラノラク方向に向かう途中にある標識。ちなみにこの標識のVAI-ATARE方面に行こうと車を走らせたが、途中の草木が大きくて途中で挫折してしまった。馬で行くか、車の横の傷を気にしなければ、または歩く元気があればきっとたどり着くはずである。
オロンゴの入り口
オロンゴに着くとこの看板が出迎えてくれる。右手にチケットオフィスがあるがそれは一段低いところにあり、ここにも別に柵があるわけでもなく、お金を払わないでも中にはいるのは簡単そうである。しかし、人の良いイースター島の前で10ドルケチっても仕方がない。きちんとお金を払ってから入るべきである。
入り口のとなりにあるチケットオフィス
上の看板から右手の少し下がったところにある事務所。「オラ(こんにちは)」または「オイガー(すみませーん)」と叫んでも誰も出てこない。中に入っていくと兄ちゃんが暇そうに新聞を読んでいた。「ガイドの説明があった方がいいよ。あ、でも今でかけたばかりだなぁ」と親切に言ってくれる。ああ、こんな仕事中の人でさえも、イースターの人々は親切である。
入場料・注意書き
大人はUS$10(チリペソ$5000)、子どもはUS$5の入場料を取る。ちょっと高すぎないかい?と思うが、看板には「観光客のみなさんへ ここで払っていただいた入場料はオロンゴだけでなく、タハイ、ラノララク、トンガリキ、アナケナなどイースター島全ての遺跡の入場料を含みます」てなことが書いてある。この島で見かけるほとんどの看板はスペイン語またはラパヌイ語だが、「どーしても読んで欲しい事」だけは英語で書いてある。たいてい「○×は禁止」「○×に注意しろ」といった場合のみ。もっとも、近くにいる誰かに話しかけると英語で説明してくれることも多い。若い姉ちゃん、兄ちゃんには英語が通じることが多く会話が弾んでしまう。
チケット
これが10ドルの入場券。持っていても他の遺跡で提示を求められることもないが、一応「島にいる間、全ての遺跡で有効なチケット」らしい。
オロンゴの遺跡 No.1地点
上の地図のNo.1の地点である。地面に石の土台があり、その上に石が転がっている。パンフレットによると初期のアフらしい。
オロンゴの遺跡 No.3地点
右側は海、左側は絶景のラノラクというカルデラ湖という位置にあるNo.3地点。これもアフらしい。
オロンゴの遺跡 No.5地点
ここがオロンゴの心臓部とも言える場所。目の前は断崖絶壁で、眼下には真っ青な海。岬になっていて、左側はカルデラ湖の尾根、右側はやはり崖、という景色最高、スリル満点の場所である。
オロンゴの遺跡 No.5地点
至る所に様々な岩絵が残されてるNo.5地点。その数、実に500個。10メートル四方ぐらいの面積の中の岩という岩が様々な絵で埋められている。ちなみに絵に関して、連続性とか、物語性とかはなく、言ってしまえばなんの脈絡もなく、マケマケ神や、鳥人に関する絵がひたすらに彫られている。
オロンゴの遺跡 No.5地点
これも鳥人、タンガタマヌのレリーフ。詳しいことは鳥人儀礼のページに。
オロンゴの遺跡 No.5地点
ここにある岩は玄武岩で、モアイの凝灰岩よりは強いが、大変強い岩石では決してない。これらもいつかは強風と潮風にさらされて風化してしまうのだろうか。
No.5地点から見た3つの島
ここからあの島まで泳いで行ったと思うと、ため息が出てしまう。向こうの島については3つの島を参照のこと。
オロンゴの遺跡 No.7地点
ホプ(卵とり競争の選手)を待っている間、同族の者は、こういった岩屋で聖歌を歌ったりして神に祈りを捧げていた。
オロンゴの遺跡 No.11地点
岩屋の入り口は大変低い。入り口にかかる長方形の石には彫刻が施され、部屋の中にもマケマケ神をあらわす絵が彫られたという。またそれぞれの家の前には調理用のかまどがあったという。
オロンゴの遺跡 No.11地点
オロンゴの岩屋には時々こうした屋根?の穴がある場所がある。オロンゴではなく、島の内陸部に残る石の家トゥパ、と同様、本当の意味はよく分かっていないらしい。神官が星の動きを読んだとか、鳥の動きから農業の時期を知ったとか様々な説がある。
オロンゴの遺跡 No.12地点
これも岩屋だったのだろうか。一見アフともとれるが、とにかく現在は風化していて当初の建築物、そしてその目的はよく分からない。