アナ カイ タンガタ
(ANA KAI TANGATA)

ラパヌイ語で、アナは洞窟、カイは食べる、タンガタは人ということになる。つまり、人を食べる洞窟「食人洞窟」という意味になる。鳥人儀礼の後にその祝宴が行われた場所らしい。


洞窟入り口にある看板

ハンガロア村内から車で5分のところにあり、すぐ分かる位置にある。ただし、洞窟は海面ぎりぎりのところにあるため、道路からは5メートル程くだらなくてはならない。その降り口にあるのがこの看板である。


洞窟から見た太平洋

イースター島の最盛期には2万人もの人がこの島で暮らしていたという。こんな小さな島では当然食糧難が起こる。部族間闘争も起こる。結果的にモアイ倒し戦争(フリ・モアイ)も起こった。そして食糧難はついに人を食べるまでになった・・・というのがとりあえずの定説である。ここが、単純に「鳥人儀式の後の祝宴用」の場所なのか、食糧難による食人の慣習を含めた場所なのかは分からないが、かつてのこの島の文化を語る重要な証拠の一つであることは確かである。。


怪しい雰囲気を持つ洞窟

波によって浸食された高さ4m、奥行き10mほどの洞窟である。決して広くはないが、儀式を行うには十分な広さがある。この場所からは確かに人骨も多数発見されているということだから、ここで人が食べられていたのは確かなのだろう。


少し気味悪い感じが・・・

ただの洞窟なのだが、一歩足を踏み入れたとたん気味が悪い感じがする。いわゆる「霊感の強い人なら何かを感じる」という世界である。確かに人をここで食べていた、という事実だけでなく、ここの場所の持つ雰囲気は神聖というか、神秘的というか、平たく言うと「とっても気味が悪い」という気配を漂わせている。


天井には鳥人とマケマケ神の壁画

オロンゴの鳥人儀式と関係があるだけに、鳥人や鳥の壁画が大きく描かれている。保存状態も良く、色も形もはっきりと分かる。


波の強さに圧倒


とにかく激しい波と風で、その勢いに圧倒される。水しぶきが洞窟の中まで飛んでくることはしばしば。